海外ドラマの傾向の次にU-NEXTのオススメドラマについて書きたいと思います。
動画ストリーミングサービスでオススメは?と言われたら迷いなくU-NEXTをオススメします。問題はU-NEXTと他に何に入るか、が問題というか、それくらいU-NEXTで配信されるHBOドラマが大好きです。
料金が高いからという意見はわかります。月額負担は大きいですが、無料期間も1ヶ月あるのでぜひ試していただければと思います。
さて前回は最近のドラマの傾向を書きました。まずはアメリカでは白人よりも黒人、アジア、ラテンの有色人種の方が白人層よりも多くなるので、有色人種の主人公が増えているという事。そして西洋近代社会/白人の作り上げた世界の終焉を予感させる作品が作られている事。
次に高齢化社会に突入しているので、その事をテーマにしたドラマが作られている事。
そしてLGBTQや女性を中心としたドラマが増えているという事です。
遠くから見れば喜劇で近くで見ると悲劇というプロットによってヒューマンドラマやコメディドラマが作られてるのが多く、ヨーロッパ全体の歴史が殺戮が何度となくあり、一神教の内包するある点が悲劇を引き起こしているという事から、常に悲惨な現状が待っていて、泣くのを通り越して笑うしかない、悲惨であればあるだけ笑いに変える、それを茶化す、茶化せば茶化すだけ真実が炙り出される、という事を書きました。詳しくは前回の記事を参照していただければと思います。
ではU-NEXTオススメのドラマを紹介しましょう。
メディア王/華麗なる一族
映画のアカデミー賞にあたるエミー賞をこの作品は受賞できるか?ではなく、いくつ受賞するのだろうか?が焦点になるでしょう、大傑作のこの作品。全10話まであって5月現在7話まで配信されてますが、もう面白すぎて早く続きが見たいが、もうあと3話で終わってしまうのか、と寂しさも募っています。
メディアを創業しながら手広く事業を運営している一家。
まだ子供達に事業は継がせないと意気込む父親と誰が後継者になるのか、という一家のお家騒動です。
それはかつてからある王家の姿でもあり、その王家に振り回される周囲の歴史でもあり、それを食い潰そうとする他の王家の存在もある。そして白人層よりも有色人種の方がが人口比率において増えていく現在で、かつて辣腕を振るい、多くの犠牲者も共に出した王家の、西洋近代社会/白人の作り上げた世界の終焉を予感させるところもある。
時代をあけ渡さない高齢者の姿、白人ばかりが主要キャストをしめる事によって、その違和感を引き出している人種問題。
アメリカの現状と問題を全てこの物語で語りながら、メディア/真実を伝えるという事を土台にして、今までのあるいはこれからも変わらぬ人間の真実の姿をあらわすこのドラマは、ドラマ史上に名を残すのは間違いないです。いずれ最終回を迎えたらやりたいと思います。おそらくエミー賞でも俳優陣はノミネートされるでしょうが、ここでも骨肉の戦いが繰り広げられるでしょう。
遠くから見ると喜劇、近くで見ると悲劇、見ている私達ももしかしたら悲劇の1人かも、、、。2023年現在、見るべきドラマNo.1です。
シーズン4で完結。
ハウスオブザドラゴン
エミー賞の行方を左右する上で、メディア王/サクセッションの受賞を阻む対抗馬として間違いなく名乗りを上げるならこのハウスオブザドラゴンとNetflixのベターコウルソウルではないでしょうか。
こちらも後継者は誰か?こちらも父親が第一後継者として娘を指名しますが、女性である事を理由に違和感を唱える者がいて、やがて不穏な空気がたちこめてその不穏な空気がやがて大きな波になり、少しずつ巨大な渦になっていき、欲望もトグロを巻いて全て巻き込んでいきます。この緊張感、この描き方、全てにおいて手を汗握り、もう終わりだ、始まるぞ、始まってしまうというストーリーがたまりません。残酷な描写があったりするので苦手な人は多いかも知れませんが、U-NEXTのお試し期間中にぜひ見て欲しい作品です。
シーズン1全10話
ラストオブアス
これ本当にゲーム原作なの?ゲームを全くやらない自分としてはとても驚きました。こちらも第1シーズンが終わったばかりですが、エミー賞に必ず絡んでくる作品でオススメする作品です。第一話の完成度の高さ、ゲームを知らなくてもその細かなところまで再現してるのがわかるセットの凄さ、緊迫感の溢れる展開とこちらも全てにおいてこれでなにも受賞できないのは可哀想というくらい、素晴らしい出来になっています。お互い警戒しながらもかけがえのない存在として旅路を続けるそのストーリーはとても素晴らしかった。
こちらも無料期間中にぜひ見ていただきたいです。
全9話。
ダークマテリアルズ/ライラの冒険
さっきから大人が見るようなドラマの過激な描写が多いドラマばかりオススメしてましたが、実はU-NEXTに入ってない方も、入ってる方も見てもらいたいドラマはこちらです。おそらく小学生3年あたりから見れるようなドラマになっています。自分の息子も小学2年ですが、第1シーズンは人身売買など子供が標的になるシーンがあるので、そこは早送りで飛ばしましたが、それ以外は夢中で見てました。
ちなみに施設で働いている看護師はAmazonプライムの力の指輪で主人公役をやっている女優です。
宗教と科学の対立、犠牲になる子供、環境問題と動物、物語と別に色々と考えさせてくれるドラマで大人でも充分見れます。というか、かなりハマりました。
正直、ストーリー展開にイマイチ感はあります。コロナ禍も影響してるし、シーズン2まではとても素晴らしかったのですが、結末まで至る展開はちょっとなー、というポイントはありますが、でもラストは戦いよりも子供達に何を伝えたいか、そこにとても重きを置いていてそれがかなり胸を打たれました。
そこはゆずらないというか、展開そのものに欠点があってもラストだけは本当に丁寧に描いていて完璧でなくとも、記憶に残るドラマだったと思います。こちらのドラマに関しては詳しくレビューをしたいと思います。無料期間中にシーズン1だけでもぜひ見て欲しいですね。
シーズン3で完結です。シーズン1は1話およそ1時間で全8話。
イルマヴェップ
映画が大好きな人、ミニシアター系の映画を好んで見に行くにはオススメのドラマはこちらイルマヴェップがオススメです。
俳優とは精霊で映画とは魔術的儀式。
この台詞が気に入りました。演じるとはなにか。映画とは、そして見る側はなぜ見るのか。そして、、、
スポンサー、わがままな俳優、プライベートなゴタゴタ、全てが混乱していくが、回を重ねる事によってどんどんと闇夜に暗躍し、私たち見る者を魅了するある姿がそこにある。個人的に昨年のNo.2のドラマでした。もうすでに2回見ていますが、また見たい。おそらくエミー賞の1シーズンのみのリミテッド部門でもノミネートされると思います。
無料期間中にどうぞ。
8話完結です。
ステーション11
ベストセラーになった原作のドラマ化。個人的昨年のNO,1作品です。
映画も通して1番印象に残った作品でした。コロナ禍に公開されたのが不運だったかな。
ストーリーはパンデミックを引き起こして人類はの多くは死んでしまってその後を描いた作品です。
世界経済は破綻しても文化は残る。転々と移動しながらシェイクスピアを演じる旅一座の物語。
ヒロムライの演出が本当に素晴らしくて、第1話は特に良かった。
つながっていないストーリーがやがてつながってくる展開や、舞台を中心に活動してる旅一座の話だけあって空港の回ではその広さを活かして舞台劇のように見せる展開は本当に素晴らしかった。
物語は再生へと動きますが、ラストはとても印象的でした。原作自体が村上春樹の影響があると思われます。
舞台が好きな人、映画が好きな人、それぞれ刺さる部分はあると思います。この静かで美しく、哀しくてそれでも生きる事を、歩く事をやめない物語をぜひ見ていただきたいです。いずれ詳しくレビューしたいです。
全8話で完結。
サムバディサムウェア
面白いのはわかる。けど大掛かりなセットや予算を使った作品は見てると疲れる。そういう作品ではなくてもっと生活感のあるようなものが見たいという時があります。
このサムバディサムウェアはそういう時にオススメです。誰も知らない俳優ばかりでそこがちょっと見てみようという気になったのですが、これはホントにごく普通の日常で幸せなるというのはとても大変なのだという事がわかる一方で、同時に見ている側に寄り添ってくれるドラマです。静かな感動がそこにある。
アメリカではシーズン2が配信されていて、HBO maxの4月のチャートではトップ10に入る人気になっています。
ここでは誰か殺されたり、飛んだり、レザービームを撃ったりする人はいません。ごくありふれた日常です。隅に追いやられた人々が、ささやかに祝杯を上げ、笑おうと懸命に生きている。
そしてこちらまで笑顔になり、泣けてくる。ぜひご覧ください。
はやくシーズン2が見たいです。アメリカでは静かながらこのドラマとても支持されているようです。
ジ・オファー
ゴッドファーザーを見てない人も見た人もこのドラマはオススメですし、ぜひ無料期間中にご覧ください。
プロデューサーの仕事って大変なんだなと思いつつ、マフィアものの映画を作るのはかなり命懸けなんだなというのもわかります。
やや簡潔にまとめすぎかなと思ったりもしましたが、でもラストはとても良かった。映画史に誇る1ページの裏側をぜひ堪能してください。
あれ?ジョージルーカスじゃね?って思う人物が写り込んでいたり、他の有名な映画セットが写っていたり小さな部分でもこだわりのある作りになっています。
ウイニングタイム
NBAのLAレイカーズの買収、そしてマジックジョンソンを加入させて一年目を描いた作品。
八村塁が現在レイカーズで活躍中です。バスケが好きでこれからジョーダンのドキュメンタリーやアップルプラスでステファンカリーのドキュメンタリーも見たらレビューしたいと思っていますが、レブロンと同じメイトだという事自体だけで凄いのに、彼の活躍はとても元気をもらえます。
ウォーリアーズを下した先日の一戦は泣けましたね。
コッテリ油っこいドラマですが、こんな時代があったのかとびっくり驚いてしまうような内容でバスケファンならずとも楽しめる内容となっています。
白人の無謀極まりない社長、そしてかつていなかった明るい笑顔で恐れ知らずのマジックジョンソン。
チームメイトとぶつかりながらもチャンピオンロードを走ってゆく。
ややセルティックスやラリーバードを悪者にしすぎる演出は気に入らなかったですが、それぞれチームメイトの黒人が過去に受けた苦しみを盛り込みながらそれを乗り越えようとするマジックジョンソンの躍動はとても現在を現していると思います。
シーズン2が制作されるとの事ですが、シーズン1は全10話、1時間ドラマです。
チェリノブイリ
今までの作品は昨年配信されたドラマばかりですが、HBO作品でも最も有名な作品はゲームオブスローンズとこのチェリノブイリでしょう。
別に日常の延長上にある問題なので社会派ドラマという言葉自体好きではないですが、原発事故を扱った作品でここまで緊張感をみなぎらせ、そして最後の裁判で真実をあぶり出して終わる見事な展開は、見事です。
福島原発事故があったからトラウマは日本人にはあります。しかしこの作品はなぜ博士は死ななければいけなかったのか、その真相を探る作りにもなっているし、原発が爆発して以来、あるミッションをやらなければいけないというシーンでは、見ている視聴者がそのミッションに挑んでいるかのような演出になっています。
実は上記で紹介したラストオブアスの製作陣が作っているのですが、ゲームというかある一種の体験型ドラマのような作りになっていてとても演出が上手い。いずれウクライナの歴史と合わせて書きたいと思います。
その歴史自体を知るとウクライナの人々がなぜロシアに対してあれだけ抵抗するのかがわかります。
全5話、無料期間中にぜひどうぞ。一話見ると止まりませんが、一気に見るのはもしかしたら精神的負担が大きいかも知れません。
他にもいっぱいあります。NOPEやゲットアウトでお馴染みの最もお気に入りのクリエイターの1人ジョーダンピールのラブクラフトカントリー、ウォッチメン、ピースメーカーなどもとても面白い。ただラブクラフトとウォッチメンはある程度前提条件として知っていなければいけない事があるので、そこのところは今度詳しく書きたいと思います。
そしてきたる将来、マーベルのようにDCコミックも映画、ドラマ連動して動くというので、こちらもおそらくU-NEXTで配信されると思われます。できれば料金体制は変わらないままやってほしいけどどうなんでしょうか?
DCコミックの方がマルチバース展開を先にやっていたらしいのですが、さっぱりわからなかったのでYouTubeで調べたところ、しゃべんじゃーずの皆さんがDCコミックの内容を予想していたのですが、正直、メチャクチャ楽しみになりました。
ぜひこちらの動画二つをチェックしてみてください。
U-NEXTの魅力は他にもあります。国内ドラマも充実していてエルピスは特にオススメです。
今現在、U-NEXTでメディア王、イエローストーン、ラヴ&デス、I may destroy youを視聴中です。
他にもオススメはたくさんありますが、とりあえず無料期間中に見れるドラマ中心で書いてみました。ぜひご覧ください。
そして明後日あたりにU-NEXTで2010年代のドラマの覇者、ゲームオブスローンズの記事をUPしたいと思います。日本映画との関わり合いについて書きましたが、ほとんど指摘されてないので楽しめると思います。見てない方もきっと楽しめると思うので宜しければぜひご一読よろしくお願いします。