今回はNetflix映画のザ・キラーの紹介をしたいと思います。予告編はこちら🔽🔽🔽
https://youtu.be/ZVPVp9LQMNI?si=1EPa-vHbyjqP7Y96
前回の記事で紹介したブラットピット×ジョージクルーニーのタッグの映画、WOLFSを紹介しましたが、あの映画は一言で言えばクリエイターは辛いよ、という事をテーマにした映画でもある、という事を書きました。
今回はその第二弾という事で、こちらもクリエイターの復讐をテーマにした映画であるという事を書きたいと思います。
いくつかこのキラーという映画の評論家のレビューと動画を見ましたが一つ気づいてない点があって、おそらく日本では気づいてる人はいるだろうけどごく少数で、そのポイントについても書きたいと思います。
この映画の監督はデビットフィンチャーで、映画好きでなくてもブラットピット主演のセブン、ファイトクラブという映画の名前は聞いた事があるのではないかと思います。
フィンチャーの映画はどの作品も好きです。エイリアン3は公開されてとても叩かれましたが、エイリアンシリーズでは1の次に好きな作品です。
誰がなんと言おうとあれは大好きな作品で、みんなから怪訝な顔をされますが、あの映画を当時、2回見に行った記憶があります。
そんなフィンチャーは私自身お気に入りな監督で、映画、ドラマ共に見ています。
このキラーという映画も2023年のランキングでキラーオブザフラワームーン、TAR.、クリエイターと共にベスト5に入る好きな作品でした。
というわけでキラーがなぜクリエイターの復讐をテーマにした映画であるか、という事を書きたいと思いますが、ネタバレも含みます。
ですからぜひ鑑賞後にこの記事を読んでいただければと思います。
☠️THE・KILLER/レビュー☠️
ストーリーとしては依頼された仕事に失敗しておわれる身となり、やがて復讐していくという話になっていきます。
予告編を見るとクライムサスペンスに見えるのだけど、完全にブラックコメディでもあるんですね。
主人公は自分には徹底したルールがあってキザに言ったりしてますが、健康管理方法についてはそんなのおかしくないか?と疑問に思うし、冒頭でも郵便屋さんが配達しにきたり、言ってる割に暗殺する相手をしくじるし、なんだかおかしい事がわかります。
この映画のラストあたりになって初めてこれはブラックコメディなんだと気づいて、2回目は札幌の映画館で短期上映をしたので鑑賞しましたが、笑いながら見れました。
掟そのものがフィンチャーの仕事における鉄則なのだろうし、主人公そのものがフィンチャーに見えてくる。
相変わらずフィンチャーは凄いな、と思うのは冒頭でほとんど場面が独白してるだけで退屈になりかねないのに、とても惹き込まれる。
そこにトレントレズナーとアッティカロスの音楽も素晴らしい上に、映画館で見ると車の走る音や自然音すら設計されているようで、うなってしまいました。
ハラハラさせる展開が続きながらラストのシーンにどのような展開になるのか。
ここから日本では多くの人が気付けない点について言及していきます。
ラストでsub pop/サブポップのシャツを着てる人がいましたが、サブポップはシアトルのインディーレーベルのレコード会社です。
メジャーレコード会社の音楽は商業的になりすぎて、生々しさがなくなった時にサブポップから出たマッドハニーやサウンドガーデンが空前にヒットを飛ばし、さらにnirvanaがグランジシーンを牽引します。
そして2000年代もモデストマウスというバンドがサブポップから出てヒットしたりします。このバンドのギターリストがこの映画の主人公の好きな音楽、スミスのギターリストのジョニーマーだったんですね。
右端の黒い服を着ている人間がジョニーマーです。
冷静に考えてみればスミスが好きな暗殺者なんているかよって話なんですが、つまりサブポップはアンチ商業的音楽で支持層を拡大したと。
映画ではサブポップのシャツを着ている男の後ろでスクリーンに映っていたのは、market recap/市場動向だとか株価の動向を気にしてるという事がうかがえます。
アンチ商業主義なのに極めて商業的な成り行きを気にしてる。仮にフィンチャーが主人公という立場として考えたら、彼の雇い主は誰か?
Netflixさんよ〜、昔はさ〜、アンタらもインディレーベルのように良質な作品を作っていたよな〜、なのに最近は株価指数や動向を気にしてそういう点を監督や作品にもプレッシャーかけたりしてるって話じゃない。ねぇなめてんの?やっちゃうよ〜、、、っていう。
こんな映画嫌いになるわけないw。ま、エイリアン3が最高だという男ですから信用はできないわけですが、そこからこの映画をさかのぼって考えると、主人公が証拠隠滅にスマホを踏み潰すのも意味合いが変わってくると思うし笑える。そして自分はフィンチャー自身が殺し屋として例えるところが面白い。
スピルバーグやルーカスとは俺は違う。あくまで与えられた任務はこなすぜ、まーそれがヒットするかどうかは別問題だがな、というところもストーリーに反映されていて、さすがだなぁと思いました。
主人公の愛しい人が傷つけられて復讐に至るというストーリーラインも、愛しい人というのは彼の作品にあたるのかな?と思いました。
Netflixではフィンチャーはマインドハンターというドラマも制作していてこれが打ち切りになりました。
ここなんですね。かなり人気があって私も大好きなドラマだったのですが、続編が作られないという事で批判が巻き起こったのを覚えています。
Netflixのドラマの難しいところは打ち切る確率が他のAmazon、Apple、U-NEXTで配信されてるHBO.そしてディズニープラスのドラマから比べると高いという事。
代表的な例としてはTHE OA、マインドハンター、1899です。傑作と言われながらこの三本が打ち切られた時にかなり批判が巻き起こりましたし、私自身Netflixに対する見方が変わったし、Netflixのドラマを他の会社と比べて見ないのは続編が作られるかどうかわからないところにあるというのは大きくあります。
先に挙げたOA.マインドハンター、1899のレビューはいつかやりたいと思っていますが、多分Netflixに対する怒りが発散される事でしょうw。
つまりラストの雇い主が言っていた事とマインドハンターというドラマが打ち切りになった事が関係していて、Netflixに金を出させながらNetflixに対しての不満をぶちまける映画でもあるという事があるんですね。
ここに対しては多くの人が気づいているとは思うんですが、ジョニーマーとモデストマウスの関係とサブポップのシャツを着ているという事はどういう事なのか?という事を言及してる人はいなかったので、書いてみました。
というわけで本当に痛快な娯楽作品でした。ここ数年は表舞台には立たない人間の活躍する作品が多いと思います。ジョンウィック、イコライザー、ミッションインポッシブルもそれにあたるとおもいますが、個人的にはこの映画とU-NEXTで配信されてるバリーという作品が最も優れた作品かなぁと思っています。
多分バリーのヒットがひょっとしたらフィンチャーにゴーサインを出す事になったのかなぁと思ったりしました。
という訳でいかがだったでしょうか?
WOLFES、THE KILLERというクリエイターが自らの立場を主人公あてがった作品を紹介/レビューしてきました。
本来ならばもっと早くこの記事をアップする予定でしたが、仕事が忙しくてずれ込んでしまいました。
1度ストーリーをわかった上で2度3度見ると新たな発見があると思います。
今回のザ・キラーに関してはNetflix映画は30本近く見てますからベスト10とかそういう特集もしたいなと思っています。
その時にはこの映画を再び紹介する事になると思いますので、楽しみにしていただけたらと思います。
星🌟5段階評価
個人的満足度:🌟🌟🌟🌟🌟
オススメ度:🌟🌟🌟🌟🌟