今回はロバートパティンソン主演、映画バットマンの紹介とレビューをしたいと思います。
2024年現在、HBOで配信されているコリンファレル主演のペンギンが5話まで配信されてますが、面白い‼️大好きです‼️
マフィアもので1話目から黒澤明の用心棒の展開でペンギンの立場を際立たせつつ、ペンギンそのものはロバートデニーロがアルカポネという伝説のマフィアを演じたのをオマージュしています。
ロバートデニーロは黒人の女性と付き合わないという事でも有名ですが、ペンギンもまた愛する女性が黒人という事で、寄せています。
さらにHBO制作という事で、HBOのドラマでソプラノズというマフィアもので大傑作ドラマがあります。
ソプラノズでは平凡な父親とマフィアのボスとの狭間で悩み、シーズン1では母親の介護の事で苦労しながら、たまたま気が向いてカウンセリングを受けて自分悩み事を相談したら、苦悩を話す事で楽になっていくのだが、、、というストーリーになっています。
まさにペンギンも母親の介護で苦労してるのですが、ソプラノズもなぞりながらストーリーも展開していき、下半期のドラマでもトップ級に面白いドラマで、正直想像以上に面白くて毎週楽しみにしています。
というわけで、今回はペンギンもバットマンもより楽しめるように歴史を振り返りつつ、黒澤明の影響も多大にあるのでぜひ読んでいただければと思います。
1.黒澤明映画の野良犬
バットマンという映画はご存知アメコミのDCの人気ダークヒーローですが、映画ではダークナイトから黒澤明の野良犬の影響が伺えます。
これがわかるだけでかなり映画の見方が変わると思います。
そもそも野良犬というのは常に飢えていて獰猛な存在です。バットマンも最初は正義も悪もない、復讐にかられた存在としているので、野良犬のような存在、ともいえる。この着想そのものが黒澤明の野良犬からきていると言えます。
この野良犬というのは三船敏郎演じる新人刑事と志村喬/しむらたかし演じるベテラン刑事の相棒/バディものの映画です。
荒ぶる新人刑事とそれをいさめるベテラン刑事の関係性は、このままハリウッド映画の有名な作品の土台になっています。
その有名な作品としてリーサルウェポンがあります。
黒人刑事のダニーグローバーと破天荒な刑事のメルギブソンの相棒が事件をド派手に解決するという映画ですが、ハリウッドエンタメ映画の代表的な一本と言ってもいいでしょう。このリーサルウェポンのモチーフになったのが黒澤明の野良犬なんですね。
似てると思います。そしてリーサルウェポンでのダニーグローバーは慌てると言葉が出ないような、コメディリリーフの立場がありますが、これは志村喬が生きるというコメディ映画の渡辺課長の演技を参考にしたものだと推察されます。
さらに懐かしい無茶苦茶な刑事の物語でエディマーフィーとニックノルティのコンビが暴れ回る映画がありました。48時間という映画です。
こちらの黒人刑事のエディマーフィーも志村喬に寄せている事がわかると思います。
そして1990年代の相棒ものといえばでデビットフィンチャーの代表作でもあるセブンという映画もあります。
こちらも三船敏郎がブラットピット、モーガンフリーマンが志村喬となります。
かなり似ていると思います。つまりダニーグローバーにせよエディマーフィーにせよモーガンフリーマンにしても志村喬的なポジションとしての立場を求められ、彼らの俳優人生そのものにも影響を与えている事が挙げられます。
ですから私の場合はモーガンフリーマンの映画を見ると志村喬の出演作を思い出します。なにかしらの関係性があるのではないか、と思いながら見てると意外な発見があったりします。
そしてモーガンフリーマンが出演してる作品で有名なのが、クリストファーノーラン作品のダークナイト/バットマンですね。
こちらのモーガンフリーマンの役は会社の重役でありながら、武器の開発をしてブルースウェイン扮するバットマンの手助けをする役ですし、暴走するバットマンを止めようとする役でもあります。
やはり志村喬的なポジションで、ベテランの立場である。
さらにもう1人います。
バットマンと反目しあいながら警察内部でも孤軍奮闘するゴードン刑事です。このゴードンもまたバットマンもいさめようとしているところから、志村喬ポジションの立場である事がうかがえます。
それではTHE BATMANではどうでしょうか?
2.THE BATMANの紹介
まずはゴードン刑事です。
やはり似ていると思います。もはやバットマンによる伝統芸w。
このように脈々と受け継がれながら模倣している事が伺えます。
そして暴走するロバートパティンソン演じるバットマン/野良犬がいると。
さらにもう一つ、おそらく日本で気づいてるのはもしかしたら私だけかも知れません。一応色々調べたんですが、誰も指摘してないので多分私だけだと思います。
それはバットモービルです。
歴代のバットモービルはコウモリをモチーフにしながらデザインに組み込まれています。今回のバットモービルもそうですが、コウモリの他にもう一つ動物を参考にしています。
それは犬。野良犬です。野良犬は常にお腹を空かせて痩せてアバラ骨が浮き出ているというイメージがあります。
今回のバットモービルを見てみましょう。
前のフロントフェイスはコウモリっぽいですが、後ろはターボエンジンや配管などがむき出しになっているデザインです。
これはおそらく痩せてアバラ骨が浮き出てる野良犬をイメージしてると思います。そしてその車を運転する野良犬的立場のバットマン。
ペンギンを見つけ、追いかけようとする時にエンジンをふかすのですが、それは獰猛な野良犬が吠えてる印象を受けました。
今回のバットモービルに対して結構否定的な意見を聞きましたが、どうでしょうか?もしカッコ悪いという見方をしていた人がいましたら、このようにコウモリと野良犬をデザインにモチーフにしてる事がわかると少しは印象が変わるのではないか、と思います。
ちなみに私は1番大好きなバットモービルです。主張性があって、マッドマックスでも走っていそうな車にも見えるところがいいw。
このような情報をわかった上で見ると映画そのものの見方も変わると思います。
さらに今回のバットマンを監督したマッドリーヴスは公言していますが、黒澤明の天国と地獄が大好きでモチーフにしてるところがあると言っています。それはポールダノ扮するリドラーの事だなというのはすぐにわかりました。
黒澤明の天国と地獄では、裕福な家庭は丘の上に住んでいます。そして誘拐犯は下町のボロ屋に住んでいる。
ブルースウェインは金持ちでリドラーは金もなくなにも持たない知能犯。
これはバットマンだけではありません。ダークナイトでもブルースウェインはトラウマを抱えながらも何不自由ない暮らしをしている。変わってジョーカーはどうか?こちらも何も持たない者です。
印象的なこのシーン、私は天国と地獄のあるシーンを思い出しました。
誘拐犯の山崎努と三船敏郎が向き合うシーンです。勝手な妄想を垂れ流すのは良くないですが、個人的にはジョーカー演じたヒースレジャーは、天国と地獄の山崎努は知っていたと思うし、参考にしたんじゃないか、と思います。
今回紹介するバットマンのポールダノ扮するリドラーは明らかに山崎努を参考にしてると思います。
山崎努のこの天国と地獄での演技は、精神疾患のもつ役やサイコな役を演じる時にハリウッドでも参考にしてる俳優は多いと思います。
正直、サイコな役で有名なのはシャイニングでのジャックニコルソンですが、天国と地獄の山崎努の演技もまたジャックニコルソンと同様に伝説的な怪演をしてると思います。
もうすでに5000文字も書いてしまった。もっと簡単に書く予定でしたが、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。
最後にこの相棒ものの作品はドラマでも作られています。true detectiveシリーズです。
こちらもやはり黒澤明の野良犬の影響が伺える作品になっています。さらにシーズン1でのマシューマコノヒーの対人恐怖症などかなり神経質な刑事は、もしかしたら山崎努を参考にしたんじゃないかなと思ったりしています。
シーズン4では元の脚本家と揉めたと少し話題になったのですが、それはおそらく黒澤明の野良犬や天国と地獄などのフォーマットに乗っ取ってドラマ制作をしていない、という点でもしかしたら揉めたのかな、と思ったりしました。
という訳で今回はここまでで、次回は引き続き映画バットマンの紹介をしたいと思います。なるべく近いうちに記事をアップしたいと思います。
もう少し文章を簡潔に書けるような努力をしなければwこんなに長くなるとは思わなかった。
どうやったら簡潔に書けるのか謎だ、、、。