今回はAppleTVプラス配信ドラマ、ディスクレイマー/夏の沈黙という作品の紹介をしたいと思います。
先日ポスターはストーリーを語るという内容で記事にしました。
その時にこのドラマのポスターにはどんな意味があるのか詳しく書き、今年公開あるいは配信された映画、ドラマの中でもこの作品のポスターは第二位のランキングをつけました。詳しくはこの記事の下にリンクを貼っておきますのでぜひご覧いただければと思います。
原作の小説はとても人気があって、私も読んでいますし、大好きな作品です。
原作者のルネナイトはこの作品でデビューしたのですが、これがデビュー作品か、と話題になりました。
この作品はドラマも小説もそうですが、本を読んでいればいるだけ、映画やドラマを見ていればいるだけ、引っかかってしまう、その経験値からパターン化してあらすじを予想してしまうが故に、衝撃をうけるストーリー構成になっています。
この本を読み始めた時にかなり速いペースで読んでいましたが、最後はぶっ飛ばされ、反省もしたし、これがデビュー作品なのかと驚きました。
ミステリー小説の部類にも入りますが、ミステリーのジャンルというのは、文章が素晴らしくてもラストのオチや展開がイマイチであれば評価はされません。
その反対に文章が下手でもオチや展開がとても予想外の結末をむかえた場合はとても評価が高かったりします。
そのミステリー特有の性質故にミステリーは文学的見知で語られなかったり、論争になったりするのですが、このルネナイトの夏の沈黙は文章が素晴らしい上に色々と考えさせられる作品なので、文学好きな人でもぜひ読んでもらいたい作品です。
ストーリーはあるイギリスの子供連れの夫婦が旅行でイタリアの避暑地に訪れます。小説の方ではスペインなのですが、旦那は先に仕事があって帰ってしまい、母親と子供は残っている所に旅行で訪れた青年と出会ってその関係がどうなって行くのか?という展開になっています。
小説ではストーリーの主軸の2人が交互に章が変わっていくのですが、こちらの作品はどうなのか、ルネナイトの原作、夏の沈黙を読んだ方もぜひ見てもらいたい作品です。
それでは紹介していきたいと思います。
ディスクレイマー/夏の沈黙のレビュー
これはもう大傑作‼️💯点です‼️
これがルネナイトのデビュー作で、とても大きな話題になったし、この小説は私も大好きです。
これをアルフォンソキュアロンとケイトブランシェットがタッグを組んでドラマ化すると昨年知った時はかなり驚きつつ期待しましたし、今年ではなく来年配信されると勝手に思っていたのですが、2ヶ月前に知って本当に驚きました。
しかも旦那役はボラットという映画でブラックすぎるコメディ映画で、アメリカで撮影した際には30回以上逮捕歴のあるサシャバロンコーエンがやるってんで、どうなの?それってどうなるの?という感じでしたが、蓋を開けてみれば来年のエミー賞のリミテッド部門でサシャバロンコーエンもケイトブランシェットも間違いなくノミネートされるような演技っぷりで本当に素晴らしかった。
とにかく美しい風景と自然光をうまく使った撮影、素晴らしい演技、脚本、音楽全てにおいて良かった。ケイトブランシェットもプロデュースの立場で関わっているみたいですが、この夏の沈黙で彼女が主演するということは、なるほどとニヤリとしました。
ケイトブランシェットはオーストラリア人。イギリスからオーストラリアに開拓という名の侵略をしてコミュニティを作ったのは犯罪者として刑務所送りになった人々が一部いたと言われています。
つまり罪のある者として立っています。もちろんその後オーストラリアで生まれたケイトブランシェットには罪はないわけですが、こういう意味合いもあってケイトブランシェットは自分が主役をやるというのは間違いなく誰にも譲れなかったと思います。
これを踏まえた上でイギリス人出身俳優/コメディアンのサシャバロンコーエンとオーストラリア出身俳優のケイトブランシェットがどうなっていくのか、考えていただければと思います。
ぜひこのドラマを見た方はぜひ本を読むのもオススメしたいですね。
今年はパトリシアハイスミスの原作、リプリーのドラマ化、さらにローラリップマン原作でナタリーポートマン主演のレディインザレイクのドラマ化と、有名な女性作家の映像化が相次いでいます。
このルネナイト含めた3人の作家のドラマ化はほかの作品でも実現して欲しいし、光を当てられてない女性作家の作品は沢山あると思うので、ぜひ映像化して欲しいと思います。
性別は関係ないと言いたいのですが、小説を書く女性作家の映像化された作品はそこまで多くないし、小説を書く女性作家ほど女性の映像作家も少ないのは確かで、様々な性別や人種を通して物語を知る事が本当の意味での多様性と言えるのではないか、と思います。
とにかく原作に劣らず素晴らしい実写化でした。徹底的に詳しく小説との違いと演出について書こうかなと思いましたが、それは作品の完全なる破壊行為になりかねないのでやめておきます。
今年のトップクラスのドラマだと思います。
ぜひ堪能ください。
ポスターはストーリーを語るの記事はこちらから
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https://spiralout.hateblo.jp/entry/2024/11/27/112729
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