
今回はチェンソーマンレゼ編のレビューになります‼️前回の記事ではチェンソーマンとブランキージェットシティ、そしてNIRVANAとの関係に記事にしました。おそらくほとんどの方が気づかなかった事だと思います。
今回のレゼ編についても違った見方をするとさらに味わい深くなるので、その点についてしっかりと書きたいと思っていますので最後まで読んでいただければ幸いです‼️それでは早速いきましょう。
チェンソーマン/レゼ編
今回のレゼ編を初めて漫画で読んだ時に、藤本タツキという漫画家が本当に凄いなと思ったのが、アルジャーノンに花束という小説にに対して、こんな敬意を示しすのか、という驚きがあった事です。

アルジャーノンに花束をという小説は映画化もされてますが、読書好きの人が幾千幾万の本の中でこの世に残しておきたい本を選べと言われたら、アルジャーノンに花束をという作品は、30冊の中に選ばれる事は間違いないであろう小説である事。
私も2度3度読んでいますが、私も読書が好きだけど、この世に残すべき名作といえば、パッと思い浮かべるのはカラマーゾフの兄弟、百年の孤独にこのアルジャーノンに花束を、という作品を想像します。
この作品は映画やドラマにも大きな影響を与えていて、最近で言うならばストレンジャーシングスというドラマが代表格ですし、マーベルのサンダーボルツという映画もこのアルジャーノンに花束をという小説に強い影響を受けています。


さらにApple TVで配信されているプルリブスも冒頭からアルジャーノンに花束を、のオマージュが捧げられています。

はっきり言える事は、ストレンジャーシングスが、アルジャーノンに花束を、という作品をストーリーの核として据えて、これが空前のヒットを生んだ事が地続きでつながり、2025年だけでもこれだけ多くの作品が参考にしているという事は言えると思います。
ではアルジャーノンに花束を、という作品はどんな作品なのか?
ある教授がネズミに手術をします。そうするとネズミは解けないはずの迷路を簡単に解けるようになる。ネズミの名前はアルジャーノン。
ネズミは知性を獲得してどんどん頭が良くなってくる。
では人間に同じ事をしたらどうなるのか?ここで主人公が出てきて、何らかの障害をもつ主人公にその手術を施すことになります。これによって運命が変わってくる、というストーリーです。

このチェンソーマンレゼ編では冒頭で、映画館で映画をひたすら見るというところで、アルジャーノンに花束を読んだ人ならば似たようなシーンがあるのでピンとくるところだと思いますが、つまりレゼはネズミのような生活をしていた。それが都会か田舎か、というところが一つ鍵ですが、悪魔と契約してアルジャーノンのように知性を獲得していくが、人間ではなくネズミのように生きて、迷路の真っ只中にいる、という事が重ねられます。
そんなアルジャーノン/レゼに花束を。

デンジが口の中/心からの一輪の花をレゼに渡す。この一コマの絵を見た時に、感嘆せざるを得なかったし、このシーンを映画館で見た時に、やっぱり感動しました。
アルジャーノンに花束をという作品を読んだ事がある人ならば、あの作品を素晴らしいと思った事がある人ならば、あの結末を思い出すと間違いなく感動すると思います。さらに2人の女性の間で揺れ動くという展開も、両方の作品で指摘できる事です。
ストーリーは全く違うのに、質感はアルジャーノンに花束をに確実に寄せつつさらにアルジャーノンという傑作を汚さず敬意を感じる上にブランキーとnirvanaの世界観も体現しているという、これは本当に凄い事だ、とあらためて思いました。
もう一つ2025年を象徴する動物がいます。それはネズミです。前々回、前回の記事でタスク、ピットというドラマを記事にしてますが、このタスク、ピット、そしてチェンソーマンに共通するのはネズミが出てくるところです。さらにサンダーボルツにもででくるし、プルリブスにも出てくるのですが、格差社会が広がって生活困窮者が増えてくる、そういう社会情勢の時代ではどうやらネズミというのはよく演出に使われるし、タスクではトムとジェリーになぞらえてトムという男がネズミ/イエスキリスト風の男を捕まえようとするし、
ピットでは生活困窮者が運ばれてきて彼の服からネズミが出でくる、つまりネズミ/生活困窮者がどんどん増えている中で、病院のスタッフはそのネズミを見て逃げる/同じ人間同士だがその中でも毛嫌いして分断が起きているという表現していると感じたし、行き場のない状態とネズミがどこに行っていいかわからないという事を演出に盛り込んでいると感じました。

このチェンソーマンにしても、レゼそのものがネズミにもなるし、デンジ含めた公安そのものがネズミ狩りをする存在と同様に、デンジそのものもネズミのように彷徨いながら生きてきた、という事が重複する意味で演出されていると思います。
アルジャーノンに花束を、という作品はもともと人間はネズミと同様の存在だったが、知性を獲得して人間は人間にたらしめる存在にはなったが、知性を獲得しても、やはり生物は生物、その事実からは逃げられず、ネズミと同じなのだ、という事を示唆される内容になっています。この土台の上でチェンソーマン/レゼ編はストーリーを展開していく。非常に考察しがいがあるし、とても深度がある上に時代を象徴する一本である、という事は私は強く感じています。

ストーリーの深度がある上でも見どころが多いです。
アクションシーンも途中何が何だかわからなくなるくらいカオスでよかったし、この映画は音楽もとても素晴らしかったです。非常にこのチェンソーマンの質感にピッタリと音楽でした。
色んな見どころがあって尽きないのですが、個人的に唯一残念だったのは冒頭の米津玄師の曲がフルで流れてるシーン。
あれは別になくても良かったと思います。あそこはテレビ的すぎて残念でした。
まぁちょっと米津玄師は様々なエンディングに使われすぎというか、あまりに頼りすぎかなと思います。
そこだけが残念なポイントでした。
という訳で今回は以上になります。
2回に渡ってチェンソーマンの特集をしてきましたが、いかがだったでしょうか?
ぜひブランキージェットシティのスカンク、nirvanaのオールアポロジーズ、そしてアルジャーノンに花束をという作品を読む機会があればぜひ読んでいただければと思います。アルジャーノンに花束をという作品のラストで、宇宙の始まりと繋がる事を描いた文章は、今まで読んだ小説の中でもトップクラスで美しい文章ですし、ラストを読み終えた後の味わいは誰であろうとも記憶に残るのは間違いありません。

その上でチェンソーマンのレゼ編を観ると、間違いなくより深い印象に残る事になると思います。ぜひ機会があれば読んでみてほしい作品です‼️
チェンソーマン/レゼ編星🌟五段階評価
個人的満足度♾️🌟🌟🌟🌟🌟
オススメ度♾️🌟🌟🌟🌟🌟



















































































