ドラマと映画の時間

U-NEXT、Netflix、ディズニー、Amazon、Appleプラスのドラマ、映画の感想と紹介をしていきます。

55.圧倒的な面白さ‼️ハイジャック/海外ドラマ

今回はAppleTVプラス配信で最もオススメのドラマ作品の一本であるハイジャックのご紹介とレビューをしたいと思います。

予告編はこちら🔽🔽🔽

https://youtu.be/WxwKzsklvJo?si=7J2zbIq-HG-s003r

 

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ハイジャックはエミー賞にて将軍/shogunと共に作品賞ノミネートで争いました。残念ながら主要部門の受賞はならなかったのですが、これは本当に惜しい事です。

このドラマの素晴らしさに相当する何かの受賞をしてもらいたかったのですが、仕方ありません。でもあの素晴らしい将軍というドラマよりも劣っているという事では決してありません。

このドラマは本当に面白くて、キーファーサザーランドの24というドラマが好きな方は大好きになると思います。

ストーリーもシンプルで、飛行機に搭乗して離陸したら何者かがハイジャックをして主人公がこの困難をどう対応するのか?という話しです。

最初は24みたいだなと思って見始めたけど、正直、24の印象が強いので、そんなに面白くないだろう、しかもハイジャックされた飛行機の中だけでストーリーが続くならきっと退屈になるのではないか、と思ったのですが、これが本当に面白く、おそらく見始めたら一気見する人がほとんどではないかと思います。

 

頭がキレる主人公、ハイジャックする犯人の目的、状況に耐えられなく何かをしでかそうとする乗客、そして空港関係者はハイジャックされパイロットも何も言えない中で、いつ占領された事に気づく事になるのか、非常にストーリー構成がうまく、これを見ないのは本当にもったいない作品となっております。

 

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そして前々回レビューしたNetflixドラマ、リプリーでストーリーの背景に実はアメリカとヨーロッパの情勢が俳優達の立場で表されているという事を書きましたが、このドラマも一流のサスペンスドラマというだけではなく、ある国の情勢を表しているストーリー展開になっています。

 

このハイジャック、Netflixドラマのリプリーに隠された背景をわかる事でより海外ドラマの面白さがわかると思いますので、ぜひご覧いただければと思います。

 

なお、このハイジャックというドラマは一体どういう事を表現したのか、その事について言及致します。よってネタバレになりますので、視聴した上で読んでいただければと思います。

 

とにかく圧倒的に面白いので1ヶ月契約でもいいのでぜひご覧ください‼️

 

✈️ハイジャック/レビュー✈️

 

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さてそれではストーリーの背景に隠された表現について言及したいと思います。イギリスはベルギーに本部があるEUヨーロッパ連合から離脱して数年経ちますが、この事を下敷きにしていると思います。
EUとして他の国々とイギリスは同じ船/飛行機に乗って飛んでいたが、一部の人間によってジャックされて袂/たもとを分かつ事になってしまった。

 

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ただでさえ競争原理が働く資本主義で隣人も競争相手になりうるというのに、離脱した事によってよりイギリス国内でもより競争が激化するし、子供の未来が脅されている、という事がストーリーからうかがえます。

 

ナイジェルファラージという極右政治団体イギリス独立党の党首だった人間がいます。


若い頃は金融のトレーダーとして働きそのあとに政治家を志します。
その主張と行動は過激で、シリアなどの難民が押し寄せイギリスに来たら事故で渋滞になるようなもので、私達は今まで通ってきた道は通れなくなり、できた事ができなくなるだろうと主張していたり、ポスターにはシリア難民の写真に気をつけろ、奴らがくるぞ、と文言が書かれていたのをイギリスに遊びに行った時に見た事があります。

ナイジェルファラージは車の事故と政治活動してる最中に飛行機の墜落事故で死にかけた経験があるし、なにより世界を驚かせたのは、イギリスがEUから離脱が決まった直後にもうやる事はない、普通の生活に戻るとあっさりイギリス独立党の党首をやめてしまいます。そこにはなにか裏があるのではないかとささやかれているのですが、事実かどうか別として少なくとも離脱が決まった瞬間に株価は飛行機よろしく乱高下して儲ける一部の人間はいたのは確かです。

 

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そしてこの一部の人間によってイギリス国民は、、、という事が浮かび上がってくると思いました。
ナイジェルファラージはパブで酒を飲み親しい印象を持たせつつもヨーロッパ懐疑主義の先導役として今も存在感があるようですが、人種/性別に対する差別発言に対して、黒人である主人公がイドリスエルバなのかという点から、単なるアクションドラマとしてだけでなく、イギリスの国内/国際状況を照らし合わせてストーリーが作られているという事がわかります。

つまりハイジャックされて怯えてるさまざな人種の人々はイギリス国民で、飛行機そのものがイギリスでもあり、その飛行機は一体どこに飛んで行こうとしてるのか?さらにうまく着地できるのか?という事になるのではないか、と推察しました。

 

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以上です。このようにこのドラマやNetflixドラマ/リプリーの背景に隠された事がわかるとより面白く見れると思います。

少なくとも乗り物というのは国や時代というものの表現対象になっていたりしていて、その事から俯瞰して考えると様々なドラマに隠された背景が見えてくると思います。少なくともエミー賞にノミネートされる作品はそういう背景に隠されたストーリーがあったりします。

 

本当に素晴らしいドラマだと思いました。


イドリスエルバは007のボンド役としてささやかれていましたが、彼がボンド役をやるならぜひ見たかったけどそれは実現しないみたいなのでとても残念。

なんとなく物腰の柔らかさはショーンコネリーを彷彿させるのですが、意識してしてるのかな。

Apple TVを2022年の年末に契約して以来、NetflixAmazonよりもドラマを見ています。正直、U-NEXTの次にオススメはApple TVと言いたくなるくらい充実してると思います。

はっきり言って、AppletvプラスはTVで画面を見ようとするとU-NEXTやNetflixほど見やすさもない上に、ドラマの予告編のほとんどが日本語がないのでやる気のなさはダントツでAppleTVプラスがNo. 1です。

iPhoneはデザインにこっていると言われてますが、音楽にせよ動画ストリーミングにしてもデザインも使いやすさもまるでダメというか。

 

本当に面白いドラマが沢山あるのですが、AppleTVプラス自体のやる気のなさでドラマも映画も見られていないというのは本当に可哀想だと思います。

このハイジャックという作品は、その1番の憂き目にあっている作品だと思います。もし何気なくレビューを読んでこのドラマを見てない方がいらっしゃいましたら、お試し期間でもいいのでぜひご覧ください。

 

 

星🌟5段階評価

 

個人的満足度:🌟🌟🌟🌟🌟

 

オススメ度:🌟🌟🌟🌟🌟

 

個人的満足度とオススメ度が星🌟5つというのは滅多にありません。ぜひ‼️

 

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54.オススメNetflix映画 ウィル&ハーパー

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今回はNetflixドキュメンタリー映画、ウィル&ハーパーをご紹介いたします。

本当はAppleTVプラスのドラマ、ハイジャックのレビュー予定だったんですが、記事を書いていて煮詰まってしまったのでちょっと息抜きしようと本当はジョージクルーニーとブラットピットのウルフズという映画を鑑賞しようと思いました。

でもNetflixだったかAppleTVプラスだったか忘れてテレビでNetflixをつけたらこの映画の方が面白そうだと思って見始めたのですが。

 

大当たり🎯🎯🎯。2024年のベスト級一本。マッドマックス/フュリオサやDUNEパート2、濱口監督作品の悪は存在しないに匹敵する素晴らしさがある映画でした。本当に泣き笑い、多くを教えてもらった作品です。もう本当にオススメしたく、鑑賞してもらいたい。素晴らしい作品です。

予告編はこちら🔽🔽🔽

https://www.netflix.com/jp/title/81760197?s=i&trkid=260108134&vlang=ja

 

✴️ウィル&ハーパー/レビュー✴️

 

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なんて温かく、でも苦しく、美しいのだろうと思いました。

 

まずはウィルフェレルというコメディアン兼俳優の紹介から致しましょう。

ウィルフェレルはアメリカでは有名なコメディアンで、私も大好きなコメディアンです。ちょっとアメリカに住んでいた事があって、いつも定番で見ていた番組はサタデーナイトライヴという番組でした。コントをメインとした番組でウィルフェレルはその番組で活躍するコメディアンでした。

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俳優としては最近だとバービーで会社の社長を演じていましたね。あの作品は彼のユーモラスなキャラクターなしでは語れないところがありました。

コメディアンとして英語でも面白く見れるのはレットハットチリペッパーズのドラムとのコント?がとても面白いのでぜひ見てください。こちらです。

🔽🔽🔽

https://youtu.be/0uBOtQOO70Y?si=SJmaujSnneSy-OFG

 

そんなコメディアンのウィルフェレルと親友ハーパーの2人旅。ハーパーはサタデーナイトライヴの脚本家で、自分は男性ではなく女性なのだと認めて女性になる。
ウィルは驚き、再び出会って女性となった今でも親友である事ができるのか、ハーパーは車で旅行が好きなので一緒に旅をする事になります。


ハーパーは旅先で見知らぬ人達とバーなどで触れ合うのが好きだった。田舎も好きだった。でも女性となった今、見た目の違いから嫌悪されてしまうのではないか、、

ウィルフェレルの人柄、コメディアンとしての資質がこの重苦しいドキュメンタリーを明るくし、笑わせてくれるし、それが大きな救いになっている。

 

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私もそうですが、旅に出て見知らぬ人と会話したりするのは結構楽しいものです。海外も含めて色々なところに行きましたが、多くの人が好意的で少しの交流でも大きな思い出になるし、知らぬ土地でも笑い合えたという事は大きな自信にもつながります。

ハーパーもそれは同じだろうし、男性として当たり前に受け入れている生活圏内から抜け出したくて旅に出るという事もあったと思う。

そしてあの広大な土地を旅して多くの人と触れ合う事で、自分がアメリカ人である事に誇りを感じていたのではないかと思います。

あの古いJEEPをいまだに手放さず、乗っているのは、アメリカに乗っているという感覚もあるのではないか、と感じたりしました。

でもそれが今では恐ろしくてできない。女性となった自分を憎しみと嘲笑でさらされて傷つくのは耐えられない。

 

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ハーパーは苦しんでいる。その一つ一つの心の言葉が旅をしながら、ポロポロと出てくる。

 

訪れた場所での触れ合い、SNSでの書き込み、その先に砂漠という、生と死の象徴を越えたところにある家。

かつてからハーパーがどのように自分の事を思い、独白する姿を見つめるウィルファレル。
旅をして心がとぎほぐされて、たわいのない事を語り、独白し、そのラストはただただ笑いながら涙しました。


無理解と無関心がまだはびこり続ける社会の中で、旅を通して2人を多くの事を教えてくれた。そしてこの2人のやった事は、大きな壁に少しずつ穴を開けて壊していく。
そのユーモアとその美しさで。

 

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最後にウィルフェレルへ。俺も20年前にアメリカ横断を格安バスでした事があります。シアトルからニューヨークまで行って、その時初めて確かダンキンドーナツだったと思うけど食べた記憶があります。

ありゃ不味かった。あの固いドーナツが美味いだなんて、どうかしてる。もっとアメリカにはうまい物があるでしょうに。ウィル。

そんなところも最高です。

 

 

星🌟5段階評価

 

個人的満足度:🌟🌟🌟🌟🌟

 

オススメ度:🌟🌟🌟🌟🌟

 

ぜひご覧ください‼️

 

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53.大傑作ドラマ リプリー Netflixドラマ

今回はNetflix配信ドラマ、リプリーのレビューとなります。

 

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予告編はこちら🔽🔽🔽

 

https://youtu.be/0ri2biYLeaI?si=OarVbWM2M3VeYy6W

 

このリプリーはまだご覧になってない方の方が多いかも知れませんが、このドラマを見ると、その意味がわかると確実にドラマや映画の見方が変わる作品となっています。そういった意味でもぜひご覧になっていただきたいドラマです。間違いなく大傑作ドラマです。

私の上半期ドラマランキングで第4位にあげましたリプリーですが、この順位は迷いました。大傑作なんだけど、パトリシアハイスミスの小説をあらためて読まないとこのリプリーをはじめ評価できないな、という事で、散々迷った挙句に4位にしましたが、、、今はさらに上位になっていますw。

12月に下半期ドラマランキングそして2024年ドラマランキングは必ずやりたいと思っています。

リプリーは確実に入るのは確定ですが、今回のエミー賞ではリミテッド部門監督賞をリプリーのスティーブザイリアンが受賞しました。

 

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この作品がなにも受賞できないのはかなり納得できないと思ったところで、受賞となってとても嬉しかったです。

もしNetflixドラマのリプリーをご覧になった方ならば、私のレビューを読んだ後ならば、もっと評価が上がると思うし、そうしなければいけない、絶対にそうならなければいけないのだと自分に課しておりますw。

それくらいの大傑作であり、この事実を知るとこれから見るドラマや映画の見方が変わるのではないか、と思います。

正直、今までもリプリーのネタバレなしレビューを考えていたのだけど、今回は西洋における視点や世界情勢についても言及する事になるし、その点を踏まえるとネタバレレビューにしなければいけないので、できれば鑑賞後にこのレビューを読んでいただければな、と思います。

 

 

✴️リプリー/レビュー✴️

 

それではネタバレありのレビューになりますが、なによりスティーブザイリアンの脚本と監督の能力に脱帽と言ったところです。

素晴らしい。どこまでも考え抜かれたストーリーでした。スティーブザイリアンは監督作品はボビーフィッシャーを探してという作品が挙げられますが、脚本家としての作品を挙げてみると、レナードの朝アイリッシュマン、アメリカンギャングスター、シンドラーのリストなど、リドリースコット、スピルバーグマーティンスコセッシ監督達と、映画史に残る作品を多く手がけています。その彼が今回リプリーをドラマで制作するというのは、やはり一際の思いがあったではないか、と思います。

そしてここまでミステリー作品として面白い作品はそうないと断言したいくらい良くできてます。

 

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推理小説、特に海外の小説などを読んでいたりするとストーリーの他に裏のストーリーが走っている事がわかるので、その事を書いておこうと思います。

 

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小説でも映画でも本来ならば夏の太陽の光が降り注ぐ天国のような場所が設定なのですが、それが秋か冬の設定でストーリー展開しています。ちょっとしたあるあるなのですが、なぜ設定が冬でありモノクロで撮影してるかというと、イタリアというのは古代ローマ神聖ローマ帝国があってヨーロッパの文化の中心都市でしたが、キリスト教の価値観もヨーロッパが支配した文化/価値観も終焉をむかえるという事で、栄枯盛衰、冬の時代でありもう既に終わった事を示唆させている事が伺えます。

 

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この点はイギリスの推理小説や映画ではよくあるのですが、ヨーロッパのどこかで、特にフランスやイタリアを舞台にしたストーリーには必ずといっていいほどヨーロッパの栄枯盛衰という意味が含まれたりしています。

 

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あれだけ天国のような場所で、色彩豊かな場所を色をなくしてモノクロ撮影してる事もそこが大きな理由かなと推察します。全てではないですが。

そして悲劇が起きていわば甘やかされた2人が殺されます。1人はアメリカ人、もう1人はイタリア人ですが、ある意味でアメリカの没落とヨーロッパの没落を表していると思います。
甘やかされた2人が死ぬというのは、今までアメリカにしてもヨーロッパにしても植民地化したりして良いように好き勝手その地の物を強奪してきて甘やかされてきたと。

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この2人はそれぞれ船、もう1人は車の中で遺体は放置されますが、乗り物というのは前に進む/時代が進むという事を示唆させますから、片方は船で美しい海/美しい想い出と共に無くなっていき、もう1人は暗闇/様々な国に悲劇をもたらしてきた暗黒の歴史の中で車という時代と共に消えてゆく、つまり世界の人口比率でいえば白人よりも有色人種の方が多い上に文化そのものが塗り変えられていく、ヨーロッパとアメリカの没落をあらわしていると思います。

 

今多くのドラマが、例えばアメリカの国民はこれから有色人種の人々が多くなっていて、白人/ヨーロッパの文化がどんどんと消えていくようなドラマが作られる傾向があります。

このドラマもまた、そのようなテーマが隠されているという事が伺えます。

 

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もう一つダコタファニングが作家としての役柄で主人公のリプリーに手ほどきを受けて、小説を書き直すシーンがあります。
ここに感心したのだけど、甘やかされたジョニーフリン演じるアメリカという国は死んでいき、ダコタファニングは新たなアメリカ、小説を書く/新たに歴史を書き記す人間としての立ち位置があります。
その作家の彼女を手ほどきするリプリーを演じるアンドリュースコットはアイルランド人ですから、移民としてアメリカに渡った人々がアメリカを建国したというところで手助けをしている事を示唆していると感じました。
まぁちょっと笑ったのは、ダコタファニングはそこまで冴えた作家ではないというところですね。
冴えない作家=アメリカの未来という図式で見るとダコタファニングの演技のさじ加減の素晴らしさがわかると思います。

 

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そしてアンドリュースコット。最終的にはリプリーは本当にアメリカ人だったのか、わかりません。新たな国籍がイギリス人でしたが、リプリー演じるアンドリュースコットはアイルランド人であり、ケルト系の血が強い人間だけど、イギリスあるいはアイルランドの歴史は壮絶そのもので、常に争いの歴史そのものでした。
原住民をケルト系の人々が襲撃し、やがてゲルマン系の人々が侵略、その上で冬に食糧がない北欧からのデーン人が襲撃あるいは侵略してケルト系の人々は色々な憂き目にあいます。

 

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アンドリュースコットはそのような歴史そのものの象徴的存在として、ヨーロッパ圏の歴史を体現した人物として、今回のイタリアを舞台としたかつて栄華を極めた地を、バス/時代に乗って訪れます。


ラストはイギリス人になり変わりイタリアから去るわけですが、この事自体がEUから離脱したイギリスを示唆させます。


イギリスは壮絶な歴史の中でも他国を侵略、植民地化した暗黒の歴史をひきづっています。その暗黒を連れて、リプリーはヨーロッパを去って次はどこに行くのか。

 

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ストーリーの他に裏の設定としてこのようなストーリーが走っている事がわかるし、他にもいくつかあるのですが、詳しく説明する事自体、作品の破壊行為そのものになるのでこの辺にしておきます。
監督のスティーブンザイリアンの考え抜かれたストーリー展開と共に裏設定、そして詩的な映像美に、ただただ心を奪われました。

ラストの終わり方では本当にガッツポーズをしてしました。こんな完璧なサスペンスドラマは本当にない。あらためて映像の美しさ、俳優の演技、サスペンスドラマとしてのストーリー、全てが完璧でした。

 

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というわけで以上になりますが、原作者のパトリシアハイスミスに恋してというドキュメンタリー映画がU-NEXTで配信されていますし、前回の記事でレビューをしました。同性愛者であったパトリシアハイスミス、そしてアンドリュースコットもゲイであるという事から、この物語が太陽がいっぱいと違う側面がある事がうかがえます。

 

正直、アンドリュースコットがエミー賞のリミテッド部門主演男優賞にノミネートされたのはどんなものかなと思いましたが、性別関係なく、本当に素晴らしかった。

 

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アンドリュースコットは単純にリプリーという主人公を演じるだけでなく、ヨーロッパ全体の抱える暗黒の歴史を演じていてそれはまるでドラマで出てくる彫刻のようでもありこのドラマに出てくる彫刻のような顔つきで、空虚でありながら得体の知れない人物を好演していたと思います。他の俳優陣も素晴らしかった。

 

さらにここでパトリシアハイスミスの思うリプリー像が重なると、より味わいが深くなります。同性愛者としてリプリーはどう存在しているのか。考えるべき事が多くある作品だと思います。

 

 

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という訳でいかがだったでしょうか?ストーリーとして面白いだけでなく、現在の世界情勢も反映されていたりします。

勿論、そういう事がわからなくともとても面白い作品ですし、それで良いといえば良いと思います。ただこのように何か面白いドラマや映画を探してる方ならば、このブログは人知れず発信している最下層のブログですからw、ここに辿り着くだけで大変で訳で、その底にはこういう物語が隠されている、少なくともパトリシアハイスミスやアガサクリスティの小説を扱うならば何かしらの物語がこめられているのは間違いないという事は言えると思います。

 

この作品は見るたびにに発見があるドラマです。ぜひご覧いただければと思います。

 

 

星🌟5段回評価

 

個人的満足度:🌟🌟🌟🌟🌟

 

オススメ度:🌟🌟🌟🌟🌟

 

次回はAppleTVプラス配信ドラマのハイジャックをレビューいたします。こちらのドラマもリプリー同様に隠された物語があります。このリプリーとハイジャックのストーリーを読み解く事で、確実に映画やドラマの味わい方何変わると思うのでぜひドラマの方を見ていただければと思います。

 

 

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52.Netflixドラマ、リプリー特集 作家パトリシアハイスミスに恋して

今回はNetflixで配信されているドラマ、リプリーの特集としてリプリーの原作者であり、小説家としても有名であるパトリシアハイスミスの人生を追ったドキュメンタリー、「パトリシアハイスミスに恋して」という作品を紹介したいと思います。

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予告編はこちら🔽🔽🔽

 

https://youtu.be/JBEv0-88XRw?si=PfNN3GTLivRwsps5

 

私は読書も好きでして、パトリシアハイスミスの小説も5、6冊読んでいました。有名なリプリーシリーズ、殺意の迷宮、贋作など好きな作品があります。主に推理小説が有名でしたし彼女自身が同性愛者の小説としてキャロルという作品も有名で映画化もされました。おそらく鑑賞した方も多いと思います。

 

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2024年版のNetflix版のリプリーは見るのをためらいました。運命的といえばいいか、今年2024年の8月にリプリーシリーズで最も有名な映像化作品、太陽がいっぱいのアランドロンが亡くなりました。
原作小説と映画アロンドロン主演の太陽がいっぱいはとても素晴らしい作品でした。小説とは結末違うけど、映画として、アランドロンの出演作品としても1番有名な作品だと思っていました。

 

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マット・デイモン主演のリプリーは、アメリカ/ハリウッドのにおいがキツい映画といえばいいか、どうにも好きになれなかったので、もう映像作品で小説のイメージを壊されたくないという想いがありました。

Netflix版のリプリーの予告でモノクロで撮影してる上に、光が降り注ぐ天国のような真夏を舞台にした物語ではなく、明らかに冬と思われる服装をしている真逆の設定を少し考えて、なるほどそういう事かと思ってそれで鑑賞するにいたりました。

 

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おかげで太陽がいっぱいマット・デイモン主演のリプリーリプリーズゲームにキャロルと、映画を鑑賞した上にパトリシアハイスミスの本もリプリーシリーズの他にキャロルも読んだりして、パトリシアハイスミス三昧の日々でした。

 

 

パトリシアハイスミスについて

 

パトリシアハイスミス1921年1月19日に生まれます。テキサス州で生まれて、そこから苦難の人生が始まります。

ここからの流れはぜひU-NEXTでこのドキュメンタリーを見ていただきたいと思いますが、パトリシアハイスミス(以下パット)は日本で人気が高い作家だったか、というと1990年代になってようやくパットの本が全て翻訳されたので、90年代までは実はそこまで人気の高い作家とはいえなかったといえます。

 

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私も大学の2年の時だったか、太陽がいっぱいの映画をテレビで見て面白いと思い、ちょうどその時にパットの本が結構売れているという事で買った記憶があります。確か1996年くらいでした。

そこから日本でもパットの作品は次々と翻訳されて.今では推理小説が好きな人ならば特に有名ですが、中でもリプリーシリーズは推理小説の中でも世界的に有名作品です。

ちなみに今回は手元に小説がなかったので図書館に行って借りてきましたが、2冊ほど貸し出ししていて人気が高いんだなと思いました。

今回あらためてこのパトリシアハイスミスに恋してという作品を鑑賞した後に、太陽がいっぱいリプリーなど見ましたが、やはり太陽がいっぱいに関してはとても面白く見れたけど、複雑な心境にはなりました。しかしこの事を考える時代になったのだなと思います。

 

同性愛者を罰するという意味があったのか、なかったのか。なんとも苦い味わいになってしまった。

ただ、もし監督のルナクレマンにせよ、アランドロンにしても、今もしこの太陽がいっぱいを撮るならば、全く違う内容になったのではないか、と思います。

彼らの生きた時代と私達の生きている時代、世界観は異なります。おそらくルナクレマンは違う結末を引き出したでしょう。

 

 

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今回最も変わったのはマット・デイモン主演のリプリーです。相変わらずグウィネスパルトロウは苦手だとあらためて思いましたがw、パトリシアハイスミスに恋してを鑑賞後にこのリプリーを見ると、全く違う感想になりました。

マット・デイモンリプリーを演じつつ、もう1人の人間を演じている事によって意味合いがかなり違って見えて、そう思うとあの作品はマット・デイモンがいかに素晴らしい演技をしていたか、あの映画そのものの全体的な構造が何を示していたか、わかりました。


そして単にリプリーは人気作品の主人公としているだけではなく、パトリシアハイスミスの分身でもある。この不条理な社会への、偏見に満ちた男性社会をサヴァイブするための人物像である事がわかります。

 

 

晩年のパットは幼少期の壮絶なトラウマと時代、宗教的観念の呪いというものに捕まったというべきか、哀しくなってしまった。

創作のためには静けさが必要な一方で檻に閉じ込めてしまうところがある。だがそうやって自分を守るすべしかなく、パットだけでなく多くの作家が、読者が物語の人物にあるべき姿を求め紙に、檻に閉じ込める。

エンドロールが流れている時に、頭の中でフランクオーシャンのジークフリードという曲が流れました。
夢の中であるべき姿を空想し、最後に月の光で、母親の光に照らされて、暗闇の中で最後の一節を歌う曲です。

 

https://youtu.be/aMQm7GsyFTA?si=9UI_KKRdC0Jq6EBV

 

 

パトリシアハイスミスに寄り添った温かく詩的なドキュメント、あるいは映画だったと思います。

 


リプリーは逃げ続ける。観念と呪いを引きちぎり、海に投げ捨てて。

 

星🌟5段回評価

 

個人的満足度:🌟🌟🌟🌟🌟

オススメ度:🌟🌟🌟🌟

 

 

次回はNetflixドラマ、リプリーのレビューをしたいと思います。

 

 

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51.一挙配信か週一でドラマ配信がいいかetc

今回は雑談で色々と書きたいと思います。

というのもエミー賞で将軍の事は書いたけど、他の受賞に関しても詳しく書いた記事が消えてしまいまして、ちょっとその事も振り返りたいというのと、たまに自己紹介もしていこうと思います。

 

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で、簡単に自己紹介すると、私は既婚者で子供が2人いるごく一般的な家庭をもつ男性です。北海道に住んでます。

ドラマ、映画、読書、釣りに写真と結構多趣味で、ブログは映画は見られていても海外ドラマがあんまり見られていないと思って、じゃあ少しレビュー記事でもアップしながらドラマや映画を紹介していこうかなと思いやっています。

本格的にやり始めたのは今年からだし、なにぶん子育てと仕事の板挟みなので1ヶ月に記事が2つ3つしかアップできない時もあると思いますが、マイペースでやっていきたいと思います。

 

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このはてなブログはコメントなど残せるみたいですが、今現在は閉じています。

私自身がSNSや家族、仕事でのメール、LINEなど返信しない事で有名でしてw、コメントあるととても嬉しいのですが、返信が定例的な文章だと嫌だし、嫌だからと言って長々と返信するのも変だし、ごちゃごちゃ考えすぎて返信しないっていう事になってしまう男なのです。

 

なのでありがたいのですが、忙しい上に趣味であるドラマや映画についてのコメントだと本気で返信する事によって時間を削られる恐れがあるため、今の所はコメントは閉じさせていただいております。

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あと有料記事にはしません。それならば監督をはじめ出演者の情報を集めた上でやらなければいけませんので、なかなか仕事と子育てしている身としては難しいのでやりません。有料記事は評論家がやる事だと思っています。

 

一日どのくらい視聴しているかというと、1時間から2時間くらいです。地上波のテレビはニュースかスポーツ以外は一切見ません。1日の流れとしては朝5時前に起きて小説読むか、ブログを書くか、気になるドラマやスポーツドキュメンタリーを見ます。たいがいは本を読んでます。


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それから仕事で昼休みあたりにブログ記事の作成かドラマを30分くらい見て、帰宅して19時くらいに子供と遊んだり宿題みたりしつつ、子供が就寝した21:00からドラマを1時間見るか、子供が早く寝た場合は映画を見るか、という流れがあります。だから視聴時間はそんなに長くないかなと思います。

ただ映画はもう見る時間はほとんどないですね。見る時はスマホもどこかにやって集中して見たいので、途中でやめて次の日にまた続きを見るという事が私はできないので。しかもU-NEXTだとレンタル期限があったりすると、次の日に見られる保証はないので、どうしても仕事がきつかったりすると、見なくなってしまいます。その点ドラマは眠くなったらその場でやめる事ができるので、やはりドラマの方が視聴時間が多くなる傾向が高いです。

やっぱり映画が見れないというのは寂しいですが、世界的に見ても今はドラマの方が話題作品が多いので、どのドラマを見るかそれで悩んだりもします。

 

あとはできればNetflixのように一挙配信がありがたいですね。そっちの方がドラマを一気に集中して見るし、週一回の配信だと、仕事や子育てしてるとタイミングも合わない時は全く合わないので、見なくなったりする事は確かにあります。AppleTVプラスのsunnyは2話だけ見てそのあと見逃してます。

 

今の段階では子育てがなにより優先で、暴れん坊たちと付き合ってるのがとても楽しいですし、ドラマ中心にこれからもレビューしていくのは変わらないと思います。

 

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あとはてなブログのランキングについては別に今はいいかなと思っていますが、おそらくそのうちやろうかなと思っています。ただ個人的にはまだ記事が足りないかなと思ったりするし、ランキングとか参加すると順位ばかり気にするのも面倒なので、今は書きたい事を書いてドラマや映画を紹介できればなと思っています。

 

 

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さてエミー賞について語りたいと思います。エミー賞において将軍がドラマシリーズ部門で独占状態でしたが、他にも素晴らしいドラマがノミネートされてました。今後先レビューしたいと思っているのはリミテッド部門でノミネートされていたNetflix配信のリプリーとドラマ部門で将軍と争ったAppletvプラス配信のハイジャックという作品です。

 

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この二つはとても優れているドラマで、リプリーの方はリミテッド部門の監督賞を受賞していましたが、まずはこの二つのレビューをしたいと思います。このドラマはストーリーが面白いだけでなく、社会的なメッセージが盛り込まれた作品で、その事について記事化していきたいと思っています。

 

リプリーは完全犯罪を目論むリプリーの話ですが、同時にアメリカや西洋が築きあげてきた社会構造の衰退を表しているドラマでもあります。

そしてハイジャックもまた飛行機が文字通りハイジャックされるのですが、機内に乗っている主人公がどう対処していくか、というのがストーリーとしてあり、同時に飛行機そのものをイギリスと見立てていて、イギリスが何処に飛んで行こうとしているのか?という事をドラマで表現した作品でもあります。

 

この2つのドラマを通して表現方法のあり方がわかると、かなりドラマや映画の見方が変わってより面白く見れるのではないか、と思います。リプリーやハイジャックの記事はおそらくネタバレしないで書くのは難しいのですが、ぜひご覧になっていただければと思います。

リプリーはパトリシアハイスミスという作家の有名な小説で、私も彼女の作品は読んでいました。今回あらためてリプリーを見た際に、小説やかつて映画化された太陽がいっぱいなども鑑賞しました。

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彼女のドキュメンタリー映画も鑑賞しましたので、2つの記事に分けて紹介したいと思っています。壮絶な半生を送った彼女とリプリーの関係を書けたらと思っています。

 

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エミー賞の最大の話題は、将軍の主要部門独占ですが、もう一つの驚きはコメディ部門でベアーのシーズン2が作品賞を逃した事です。

これはもう嫌な予感はしてました。

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ロッテントマトでコメディ部門は評価が高いのが多く、コメディ最優秀作品賞を受賞したHACKSは前回でもノミネートされていたので、充分あり得ると思っていました。

でも日本ではまだ見れません。HBO制作だからU-NEXTで見れていいはずなんだけど、見れないものは予想しようがないので、HACKSが受賞した時はやられたと思いました。そして主演女優賞も獲得しました。

 

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こちらの作品は近いうちに配信されるのではないかと思います。配信され次第、鑑賞してレビューできたらなと思います。ジーンスマートはウォッチメンで印象的な演技をしていますね。

 

他の部門ではベアーの俳優が受賞しました。

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ベアーシーズン3のレビュー記事はすでにアップしていますが、今回助演女優賞を受賞したライザコロンザヤは来年のエミー賞でもノミネートされると思います。シーズン3で最も印象的なシーンが彼女でした。視聴した多くの人もそうだと思いますが、来年も受賞するかどうか、楽しみですね。

 

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そして個人的に嬉しかったのは、将軍と作品賞を争ったAppleTVで配信された窓際のスパイシーズン3が脚本賞を受賞した事です。

こちらは2024年9月現在、シーズン4が配信されています。3話ほど配信されていますが、面白い‼️いやー面白いですね。シーズン4が終わり次第、窓際のスパイの特集記事をアップしたいと思っています。間違いなく来年のエミー賞のドラマで作品賞を受賞できる最有力候補だと思うので、ぜひご覧になっていただければと思います。

おそらく10月末か11月上旬には記事をアップしたいと思います。

 

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さらにAppleTVプラスでコリンファレル主演ドラマ、シュガーのレビューもしたいと思います。コリンファレルは今現在配信されているバットマンのスピンオフ作品、U-NEXTで配信されているペンギンにも主人公で出演しています。

 

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この見た目の違い、同じ俳優がやっているとは思えませんねw。来年はどっちかでエミー賞主演男優賞を受賞するのではないでしょうか。ペンギンも1話見ましたがとても面白く見ました。ぜひご覧ください。

 

そしてペンギンに合わせてバットマンのレビューもしたいと思っています。実はこの作品は黒澤明の影響がとてもある作品で、刑事とバットマンの関係を中心に記事にしたいと思います。

これで刑事ものがどういう流れがあって作られているかがわかると、今後先バディもの/相棒ものドラマが変わって見えてくると思います。そしてこの見え方が変わってくるとNetflix配信の地面師たちもちょっと違う目で見れるかもしれません。地面師たちもレビューしたいと思います。

 

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エミー賞でリミテッド部門では私のトナカイちゃんが作品賞、主演男優賞、助演男優賞さらに脚本賞を受賞しました。

 

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私のエミー賞の予想では、私のトナカイちゃんはストーキングした女性から裁判で訴えられたので、あまりに脚色していて女性が裁判で勝った場合はどうなるかわからないので、作品賞は取らないと思ったんですが、まったく関係なかったですね。

 

私もエミー賞直前に見終わりました。裁判沙汰になってこのドラマが過激に描写していたら、嫌だなと思って見ていませんでしたが、めちゃくちゃ面白かったです。こちらもレビューしたいと思いますが、どうなるかな。

 

 

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今年のリミテッド部門の主演女優賞はジョディフォスターが受賞しました。非常に重要な役どころでしたが、やはり映画界で最も有名な1人がプロデューサー兼主役として作品を作った、それも羊たちの沈黙とは違うとはいえ、それに似通ったダークな作品を作ったのはとても大きいと思います。さらにジョディフォスター主演で有名な映画の一本、コンタクトがなければNetflix配信ドラマ三体も、世界で2000万部以上のベストセラー小説、三体もなかったと思います。その事に気づいてる人は数少ないだろうけど、やはり凄い影響力がある人だなと思います。下記に羊たちの沈黙と今回のドラマについて、三体とコンタクトという映画のレビューを貼っておくので、興味のある方はご覧ください。

という訳で10月中にレビュー予定の作品を書いておきます。

 

 

パトリックハイスミス特集:Netflix配信ドラマ♾️リプリー

 

AppleTVプラスドラマ配信♾️ハイジャック

 

AppleTVプラスドラマ配信レッスンインケミストリー

 

AppleTVプラス配信ドラマ♾️シュガー

 

U-NEXT&Amazonprime配信:♾️映画チャレンジャー

 

アニメ♾️チェンソーマン、ルックバックそして漫画と紙の文化

 

U-NEXT配信ドラマ♾️ペンギン特集にて映画THEBatman

 

netflix配信ドラマ♾️地面師たち

 

Netflix配信コメディ♾️トークサバイバー他アメリカのスタンダップコメディショウetc

 

というわけで書いたからには忙しさを言い訳にせず有言実行したいと思いますw。今後ともよろしくお願いします。あ、ハウスオブザドラゴンシーズン2もレビューしたいと思います。

 

 

 

コンタクトと三体の関係性についてのレビューはこちら🔽🔽🔽

 

https://spiralout.hateblo.jp/entry/2024/04/20/225231

 

羊たちの沈黙とtrue detectiveについてのレビューはこちら🔽🔽🔽

https://spiralout.hateblo.jp/entry/2024/06/16/215202

 

以上ですありがとうございました。

 

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50.将軍の受賞を阻むオススメドラマ

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今回は独占受賞した将軍の、これからシーズン2、シーズン3の作品が作られるのは決定してますが、今後のエミー賞においての作品賞をはじめ主要部門を受賞する有力候補であるのは間違いないと思います。まーエミー賞エミー賞と連呼するのは極めて野蛮ではありますが、他にも面白いドラマはありますし、他の強力なライバルドラマをご紹介したいと思います。

 

 

というかエミー賞総評パート2の記事を書き上げてアップしようと思ったらデータが全て消えた、、、。

とても良い事書いたのに。窓際のスパイが脚本賞取ったのが嬉しいとか、色々書いたのに。ショックです。

 

はーーーー気を取り直して今後、将軍は再び将軍がして受賞できるかどうか?という事だけを書いてみたいと思います。

再び作品賞など受賞できる可能性はありますが、なかなか独占できるかと言われたら難しいかなと思います。

 

仮に来年から撮影開始して再来年もしくは3年後に配信されるという話で進めたいと思います。

まず将軍のシーズン2、3がどんな内容かわかりません。原作小説があるならば別なのですが、こればっかりはわからないです。

 

しかし今現時点で将軍にとって最も強力なライバルで、オススメを2つあげるとすると、間違いなくHBO制作U-NEXT配信ドラマ、ハウスオブザドラゴンシーズン3、4とnetflix制作ドラマ三体シーズン2、3でしょう。

将軍はゲームオブスローンズを参考にしているという話を聞いた事があるかも知れませんが、このハウスオブザドラゴンはゲームオブスローンズの前日譚です。なので将軍を見た方で、面白いと思ったならばハウスオブザドラゴンは絶対にオススメです。

 

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私はハウスオブザドラゴン、三体の原作小説は読んでますから小説とドラマは別物とはいえ、両方の小説からそこまで一脱はしないと思います。

 

そして原作小説は圧倒的に面白い。特に三体は小説は2000万部売っていますから、折り紙つきですが、この2つの小説を読んで勝てる事は容易ではありません。

三体はすでに特集をやりましたが、今までにないSFの世界をつくり出す事に成功しているし、ハウスオブザドラゴンもその結末は、確実に多くの人々の記憶に残る結末をむかえる事になります。

 

そしてハウスオブザドラゴンはゲームオブスローンズと2つ合わせて次のシーズン3、4は間違いなくベストシーズンだという人がいてもおかしくないシリーズになると思います。

 

三体も同じくシーズン2、3は圧倒的な面白さでnetflix史上最高のドラマ、といわしめるくらいに歴史を塗り替えるポテンシャルを秘めたドラマです。ゲームオブスローンズを制作したD.D.コンビは、誰も見た事がない世界観を創造できると確信したから三体のドラマ化を引き受けたのだと思います。

 

ただこの2つのドラマにも大丈夫かな?と思う点があります。ハウスオブザドラゴンは原作小説に合わせるとかなりスローペースで、シーズン4で完結するとなるとかなり急ぎ足で物語を進める事になる。

三体も長編小説でシーズン1仕方ないとはいえ、駆け足で進めてドラマとしての醍醐味、味わいが薄れているという事。おそらく残り2シーズンで完結すると明言されてますから、小説と同じようにするならば4シーズン欲しいところです。でも3シーズンで完結すると明言されてますから、場合によっては味わいが薄いまま終わるかも知れません。

もちろん、将軍と同じ時期に配信が重なるかどうか、エミー賞の規定期間中にこの3本が配信されるかどうかは別ですが、やはりこの将軍、ハウスオブザドラゴン、三体が同じ年に配信されてエミー賞の争奪戦を繰り広げるとなると、かつてないほどのエミー賞の盛り上がりになるのは間違いありません。

 

まずは面白いドラマが見たいけど、この3つのドラマがエミー賞の争奪戦を繰り広げられるのはやっぱり見たいですね。

 

これから配信される期待作品

 

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さて他にも将軍のライバルとなりうる強力なドラマ、期待されるドラマをご紹介していきましょう。まずはDUNE prophecy。

いつの間にかDUNEまでマーベルのようにドラマと連動するのかと思いましたが、予告編を見たら非常に重厚で期待できる作品だと思います。これがリミテッド部門なのかシーズン2、3と続く続編ものなのか分かりませんが、おそらく続編ものだと思います。

予告編はこちら🔽🔽🔽

 

https://youtu.be/HbWFaJgXe3I?si=pGz-hKbcsPodAe-m


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さらにアメリカでは配信されて好評のインダストリーのシーズン3。インダストリーのシーズン1は配信されてるみたいで、こちらもシーズン3になって人気作品になっているみたいです。

予告編はこちら🔽🔽🔽

https://youtu.be/8sNShrYy2ro?si=Sz4efHT6DKwNmFQi

 

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さらにラストオブアス。こちらは来年から配信されるドラマで最も期待してるドラマです。こちらはシーズン2ですが、シーズン3、4が制作されるならば将軍と激突する事も充分あり得ると思います。シーズン2が楽しみですね

 

予告編はこちら🔽🔽🔽

https://youtu.be/-TNPJqUFqgw?si=uA-60ZZY3b3oLBvI

 

 

さらにユーフォリアの続編も決定しています。ゼンデイヤ主演ドラマですが、どうでしょうか?センセーショナルなドラマで色々と問題があるみたいですが、作られるならば人気ドラマですから注目が集まりますね。

 

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そしてAppleTVプラスからは窓際のスパイ。こちらはいつ完結するかわからないですが、例えるならば最近オアシスというバンドが再結成されましたが、リアムでもノエルでもどっちでもいいですが、口が悪い事で有名なあの2人より、10倍ひどい口のきき方をするリーダーと本当の落ちこぼれスパイ組織を描いたドラマです。

イギリスはアガサクリスティやコナンドイルをはじめ数多くの推理小説、または名探偵ポワロやシャーロックホームズといったドラマを作ってきた文化があります。

さらにそこに007といったスパイもの映画を生み出した国でもありますが、まさにそのような今まで培ってきた文化をこのドラマに全て注ぎ込まれているかのようなドラマです。

 

いわば将軍が伝統的な時代劇そして歴史をなぞりながら制作したドラマならば、この窓際のスパイも伝統的なスパイものに推理/サスペンス要素をふんだんに盛り込んだイギリスでしか作られないドラマになっています。

 

今年のエミー賞では主要部門を将軍が独占する中で脚本賞をこのシリーズが獲得しました。これは本当に嬉しかった。シーズン3はサスペンス、コメディともに群を抜いた面白さでこれで何も受賞できないのはあまりに悲惨だと思っていたので脚本賞はとても嬉しかったです。

こちらは現在シーズン4が配信され始めました。今後先も制作されるとなると、エミー賞の主要部門は受賞する機会は増えると思います。

 

予告編はこちら🔽🔽🔽

https://youtu.be/xo27sE2fdvs?si=GxX4GLZDnrUgFarJ

 

 

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さらにこのドラマはかなり未知数ですが、シュガー。シーズン2がかなり気になります。10月中にレビューしたいと思いますが、来年のエミー賞で作品賞にノミネートされて欲しいし、主演男優賞のノミネートは間違いないでしょう。

https://youtu.be/twvPGxuEOEA?si=0ljcMI5skV_PLRoQ

 

 

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続いてNetflixからはまずはイカゲームですね。こちらは来年のエミー賞に間違いなく主要部門でノミネートされる可能性が高いですし、このドラマはシーズン3で完結すると言われてるので、もしかしたら再来年に将軍が配信されたらそこでエミー賞争いで激突するかも知れません。あくまで予想ですのでどうなるかわかりませんが、今年にシーズン2、来年以降にシーズン3となると思います

が、作品賞を充分狙えるので将軍、三体、ハウスオブザドラゴンと重ならないようにnetflixはスケジュールを組むのではないかと思います。

 

他ではまだ不明な点が多いですが、このブログでもガルシアマルケス百年の孤独がドラマ化という事で特集記事を書きました。

 

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文学の中でカラマーゾフの兄弟百年の孤独は文学は作家に最も影響力のある作品と言われています。この作品が1シーズンもののリミテッドシリーズなのか、2、3と続く続編シリーズなのかまだわかりません。

おそらくリミテッドシリーズだと思うのですが、シリーズものであるならば、将軍にとってもかなりの強敵ライバルになるかも知れません。

 

さらにストレンジャーシングス。こちらはシーズン5で完結で来年1番の話題作かと思います。この配信が来年の11月で将軍が仮に再来年の秋までに配信ならばもしかしたら激突する可能性もあるかも知れません。

正直、netflixにとってイカゲーム、三体、ストレンジャーシングスは看板番組ですし、エミー賞で仮にストレンジャーシングスとイカゲームがぶつかる事は避けたいんじゃないかなと思います。

 

やはりエミー賞を受賞するかどうかで株価は違ってきますから、この二つのシリーズは大切にしていきたいところだと思います。

 

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Amazonプライムからは今のところfalloutかなと思います。

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シーズン1はその世界観と人物紹介にかなり話数をとられていたので、本当に面白いのはシーズン2以降なのだと思います。グロテスクな表現がどれだけ受け入れられるかわからないけど、長く続くシリーズであるのは間違いないので、作品賞をはじめ主要部門を受賞できる確率は高いと思います。

 

あとは力の指輪もエミー賞で将軍と争うシリーズと言いたいところですが、シーズン2を見る限り美術部門以外は難しいところです。俳優の演技はとても素晴らしいのだけど、、地域の情勢がどうなっていくのかを単に映しているだけで、感情移入できる人物がいなさすぎる。

私だけかも知れませんが、ちょっとこれは作品賞がらみにはならないと思います。

 

というわけで将軍のエミー賞受賞を阻むオススメドラマという事で紹介してきましたが、はっきり言ってエミー賞関連よりも将軍とは違った面白いドラマを紹介したいのと、やはりドラマ同士でみても大きな流れの中でここでもドラマがあるのだという事で紹介してきました。

 

最後に

 

 

今年は脚本家組合のストライキなどで変則的にエミー賞授賞式が執り行われたわけですが、来年のエミー賞がいつ開催するかは未定です。

すでにご紹介したラストオブアス、イカゲーム、窓際のスパイは間違いなく作品賞候補になる事は間違いないと思います。さらに百年の孤独はおそらくリミテッド部門だと思いますが、配信がされたら間違いなくエミー賞のどの部門かはわからないけど主要部門で確実にノミネートされる可能性は高いと思います。

 

さらに今現在配信され始めたバットマンのスピンオフドラマ、U-NEXTで配信されてるペンギンもドラマシリーズかリミテッド部門かはわからないですが、主要部門を受賞できる有力候補でしょう。

1話目が配信されて見ましたが、面白いですね。マフィアものですでに黒澤明の用心棒をなぞってる展開がいい。

 

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間違いなくコリンファレルはシュガーとペンギンで両方の作品で主演男優賞ノミネートされるのは間違いないと思いますね。

というわけで今回はこれにて終わりたいと思います。

 

次回は少し雑談を交えながら現在配信しているドラマさらにレビュー予定のドラマや映画について記事にしたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

49.エミー賞総評pt.1 将軍‼️

2024年のドラマの祭典、エミー賞が日本時間で9月16日に行われました。

ドラマ好きの私にとっては映画のアカデミー賞よりも注目してますから、昨日は途中からですが、見る事ができました。

 

いやー感動しました。やったぞ‼️将軍‼️やりましたね。多くの人が知っていると思いますが、日本の歴史を元にしたドラマが、なんと19部門もの賞を受賞しました‼️

 

奇しくも慶長5年9月15日に関ヶ原の戦いの火蓋が切って落とされた日なので、なんという巡り合わせか、と思いました!!

まー9月15日なのだけど今の暦でいうと1600年の10月21日らしいのですが、、、

 

以前の記事で将軍およびディズニープラスのドラマが多くの部門で最低でも20は受賞する事を書きましたが、なんと将軍だけで19部門も受賞するとは思いもしませんでした。

ちょっとニュースとFXで流れてる情報とは違うのですが、正確には19みたいです。

 

 

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19部門のうち最も名誉にあたる最優秀ドラマ部門、主演男優賞、主演女優賞を獲得しています。

 

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私の予想では主演男優賞は将軍は今後2シーズン制作される予定ですし、史実通りにいけば関ヶ原の戦い、大阪夏、冬の陣も描かれるかも知れません。

そうなると見せ場が多いし、他に主演男優賞にノミネートされてるゲイリーオールドマンは、窓際のスパイをもって俳優業を引退するような発言をしていますから、今回はゲイリーオールドマンに花を持たせたくて予想しましたw。

 

ま、はずれたとはいえ、真田広之がスピーチをしている時はやはり涙がでましたね。将軍のレビューで書きましたが、なかなかハリウッド映画でも真田広之の素晴らしさを披露する機会があまりなかったと思います。アメリカに来て苦労の連続だったと思いますが、本当に今回で報われたと思うと涙がでました。素晴らしかったですね。

 

アンナサワイもAppleプラスのゴジラシリーズのドラマ、モナークではストーリーそのものがあまり好みでなかったところがあるけど、あまり実力が発揮できてないというか、この将軍ではかなり見違えるくらいに素晴らしい演技をしていました。

西洋とは違う作法、表情、所作、見事でした。

真紅のドレスも似合ってましたね。スピーチも素晴らしかったです。おめでとうございます。

 

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そして予想外だったのが、浅野忠信助演男優賞を逃すという事が驚きました。正直、アンナサワイ、真田広之の主演賞よりも浅野忠信助演男優賞の方が固いと思っていたのですが.、AppleTV プラスのモーニングショウでCEO役のビリーグラダップが受賞しました。

 

あー、そうかそうきたかとちょっと苦笑いしましたが、確かにビリーグラダップも素晴らしい演技をしていたので、おめでとうございます、です。

 

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ディズニープラス傘下のFXという会社のドラマがのべ36部門も受賞するという、驚異的な結果になったと言っても良いと思います。

もちろん背景にはNo. 1人気ドラマのハウスオブザドラゴンなどが配信されていなかった理由もあると思います。

最初はリミテッド部門、1シーズンのみのドラマシリーズ部門にエントリーしていたのをドラマシリーズ部門に切り替えたのは、サクセッションやハウスオブザドラゴンがなかったから主要部門で多くの受賞ができるチャンスと捉えたからでしょう。

おそらくハウスオブザドラゴンと将軍の激突になれば19部門もとれたかどうかは分かりません。

しかしハウスオブザドラゴンのシーズン2を見た限りでは、たとえ将軍と激突しても主要部門の多くは間違いなく将軍に軍配が上がったと思います。

 

しかし今回のFX、ディズニープラスは強かった。36部門、、、株価爆上がりですね笑。FXはコメディドラマが印象的でしたが、これだけ強いとクリエイターもFXに企画を持ち込んだりしますから、ドラマ界は再編が迫られる中でも面白いドラマを作って行く事でしょう。

 

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♾️なぜ日本の歴史なのか♾️

 

 

今回、将軍が成功した背景には、アジアで視聴者数を獲得したいというビジネスの点も大きくありますが、確実に日本のドラマならばヒットするという打算がされていたのは間違いありません。

やはり黒澤明をはじめとした日本映画の影響がまだ色濃くハリウッドに残っているからです。

 

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以前からこのブログでは何度となく指摘していますが、黒澤明の野良犬、羅生門七人の侍、生きる、天国と地獄そして用心棒という映画を徹底的に研究し、そのストーリーの構造や展開を生かしたドラマがエミー賞を受賞している経緯があります。

 

ゲームオブスローンズは地域ごとに争いがあって仲が悪いが、北から謎の軍団がきて打ち倒そうという物語です。


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これは侍と村人は仲が悪いがお互い協力して盗賊を打ち倒そうという物語に構造が似ているし、雨の中の合戦シーンはゲームオブスローンズにもあります。

 

 

生きるという映画で癌の末期を告げられた冴えない主人公が、自分にもやる事があったと階段を駆け降りる、人生を駆け降りるシーンではバースデーソングがかかります。

ブレイキングパットというドラマの第一話目の展開はどうであるか。

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他にもサクセッションというドラマは、明らかに悪いヤツほどよく眠るを参考にしてますし、

 

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true detectiveの刑事2人のバディもの/相棒ものは野良犬を参考にしてる上に、伝説となっているtrue detectiveシーズン1のマシューマコノヒーの演技は天国と地獄でのあの印象的な山崎努の演技を参考にしたるのは間違いないと思います。

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そしてマンダロリアン、私の大好きなドラマ、バリーは用心棒を参考にしてる事がわかります。

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これら先に挙げた作品の中でブレイキングパット、ゲームオブスローンズ、サクセッションはエミー賞の主要部門を制覇してますし、バリーも主演男優賞を2回受賞しています。

 

特にHBOは黒澤明の映画をかなり意識してるのは間違いないと思います。

 

 

♾️戦後、少数派のヒューマンドラマ♾️

 

なぜ黒澤明なのか。それは日本が太平洋戦争に負けた事が大きな要因になっていると思います。

国のために死ぬ、玉砕という言葉にあらわれるように、多くの国民が命を失いました。

 

戦後の日本の映画は盲目的に滅私奉公的な精神について、戦争の反省の意味をこめて沢山のヒューマンドラマが作られます。

 

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その代表的な例が黒澤明の生きるという映画です。

 

国のためでなく、軍隊や役所のためでなもなく、自分のために生きる。この当たり前の「自分のために生きる」という精神を映像化した最初の作品が生きるという映画でした。

 

そしてアメリカやヨーロッパでも1950年代にこの映画が公開され、神のために生きる、という思想の元で生きてきた人々に大きな影響を与えます。

アメリカでは私達は奴隷ではないという公民権運動が盛んに行われていて、黒人の差別と神の在り方について、人とはなにか?という問いかけ、人権意識について考える機会があった時代に大きな衝撃を与えました。

 

さらに七人の侍が公開されて、そのリアルな合戦と娯楽的ながら侍は政治家、農民は国民で仲が悪いが一緒に戦うというストーリーがハリウッド映画に大きな影響を与えます。

 

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やはり戦争に負けて初めて国は暴走する時もある、国ために生きる事よりも自分のために生きるという思想は、敗戦したからこそ生まれたものであって、戦勝国であったアメリカにはなかなか生まれない思想だったかも知れません。

 

映画は芸術ではなく娯楽だ、という意識が当たり前で勧善懲悪な物語ばかりだったのに、そこに黒澤明の映画を見て衝撃を受けて、自分達も黒澤明にならえとハリウッド映画は変わっていきます。

 

そして再びエンタメ産業が拡大あるいは肥大化して、大作が作られるようになり、スポンサーを募って映画やテレビ制作がされていきます。

やがて制作費用、俳優のギャラがドンドン上がっていくにしたがって、スポンサー企業に依存していくようになり、見る人間よりもスポンサーの商売の方が重視されて再び勧善懲悪の物語が量産されていきます。

 

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そこに現れたのがHBOをはじめネットフリックスといったストリーミング配信するドラマを作る会社でした。

 

スポンサーがなくとも個々の契約者から料金をもらう事で映画やドラマを作れて、アメリカだけでなく世界中を相手にビジネスをするようになる。

クリエイターからしてみると1番の魅力はスポンサーに気を使わなくてもいいわけです。

 

さらに1950年代に公民権運動があったように、今の時代もブラックライヴスマターという黒人を中心に女性やLGBTQ🏳️‍🌈の人々の、生きる権利を訴える運動が盛んにありました。

 

そこに娯楽産業は、ストリーミングサービスで展開する娯楽産業が目をつけたのが、黒澤明や日本映画で、敗戦によって導かれた精神性とストーリーを取り込んだ作品、徹底的にリアルな戦いと1人の人間として生きる姿のドラマ配信をはじめて、スポンサー重視の娯楽産業との差別化したという事でした。

 

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将軍/shogunの成功というのは、実はその上に立っていて、ドラマ制作したFXはその事をわかった上で日本の歴史ドラマならば間違いなく歴史に名を残すだろうという事を見越して、この偉大なドラマに多額の投資をして制作したわけです。

 

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⚔️将軍/shogunのシーズン2について⚔️

 

というわけで、リミテッド部門でノミネート予定だったのに、制作されるかどうかわからないけど、強力なラインナップがノミネートされてないという事で、将軍はドラマシリーズ部門に討ってでたわけですが、確実にシーズン2、3が制作される事になりました。

 

歴史的史実を追えば関ヶ原の戦い大阪冬の陣まで描いてシーズン3にて完結となるわけですが、あくまで私の頼りない考察ですが、関ヶ原の戦いはやらないかもしれないのではないか、と思います。

ハウスオブザドラゴンのシーズン2も本来ならば10話までやる予定だったのに、多額の制作費を受けて8話に削られました。

 

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将軍/shogunでもし関ヶ原の戦いをやるとなると莫大な制作費がかかるし、シーズン1の結末からしてみると、関ヶ原の戦いはどうだろう?と思ったりします。

個人的にはぜひ見たいけど、やはり現実的に考えると相当な費用はかかりますから、やるならばシーズン3のラストで関ヶ原ではなくて何か別の合戦が繰り広げられる事になるのではないか、と思います。

 

それよりも二階堂ふみ演じる落ち葉の方を中心にドラマが展開する事になるのではないかと思います。やはり男性中心になっていくと戦いばかりになりますし、抑圧を受けながら抗う物語というのが支持される傾向はあるので、特に二階堂ふみがどのように運命に抗い、宿命と対峙する事になるのか、

 

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そして開国を迫るポルトガル、もしくはイギリスの存在を軸に、落ち葉の方と外国勢と対する景虎の軍勢のストーリーラインでシーズン2は終わって、シーズン3で景虎との激突が描かれるのではないかと思います。

 

 

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やはり安針の存在はアメリカ、ヨーロッパの視聴者からしてみるととても重要な視点、人物ですから、安針の背景にあるポルトガル、イギリスが大きな仕掛け/開国を迫る事はストーリー上で重要なのではないか、と思います。

 

シーズン1の成功はサスペンスドラマとしてとても良かった点があります。大掛かりな戦争はなくともここまで成功したのですから、戦争で物語を紡ぐよりも政治的な駆け引きを中心にしたドラマ展開になるのではないか、と思います。

 

 

いずれにせよ賽/サイは投げられました‼️

どうでしょうか、今後の事を考えると、ハウスオブザドラゴン、ラストオブアス、それにまだ見ぬ人気作品がこれから将軍/shogunエミー賞を巡って争奪戦を繰り広げる事になります。

多くのクリエイターがエミー賞を意識する時には将軍並みの面白さが要求される事になり、今回の受賞結果というのは大きな指針になったのではないかと思います。

 

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私はハウスオブザドラゴンは原作を読んでますから、今後の展開は問答無用の面白さ、賛否両論にはなるだろうけど、誰もが予想しない展開で結末をむかえる事になっていて、個人的にはゲームオブスローンズと合わせても今度のハウスオブザドラゴンのシーズン3、シーズン4は間違いなくベストシーズンとして歴史に名前を刻む事になると思います。

 

ぜひ将軍/shogunとのエミー賞での作品賞争いはみたいですね。今まで考えもしなかった夢が、日本を舞台にした歴史ドラマがハウスオブザドラゴンと競り合うなんて、こんな素晴らしい体験があるかも知れないと思うととてつもなく嬉しく思います。

 

 

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それもこれもFXや監督、この将軍/shogunに携わった人々のおかげです。

 

本当に心から感謝とお礼を言いたい気持ちです。

 

おめでとうございます。そしてありがとうございました‼️

 

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