今回は海外ドラマの傾向とU-NEXTについて書きたいと思います。
現在、私はU-NEXT、Apple TVプラス、ディズニープラス、AmazonプライムそしてNetflixに加入しております。おそらく多くの人が加入しすぎと呆れると思いますがw、高校時代からバイトしたお金の中の最低でも3万くらいは音楽、本、映画に注ぎ込んでいました。
また妻も同じような趣味なので、結果的にはCD/レコード、映画のBlu-rayなど買わなくなりましたし、本も図書館で借りて読んでからよほど面白かったら買うようになりましたので、動画ストリーミングサービスに加入して良かったと思っています。
また小学生の2年の子供と4歳の子供がいます。
子供達もそれぞれ自分達のお気に入りの番組を各配信サービスでお気に入りリスト/マイリストを親と一緒に作ってその番組を見ています。
動画ストリーミングサービスに入って1番見ていただきたいのは、各プラットフォームでオリジナルで制作されたドラマかなと思います。
映画好きな人ならともかく、多くの人が月に映画を見るなら3本から5本くらいではないでしょうか。
そのために動画ストリーミングサービスを利用するならばちょっともったいないかなと思います。
動画配信会社としても映画だけでは契約してくれる人は少ないので、ドラマに力を入れています。
それになにより映画は映画館で流すためにストーリー構成をされているし、やはり映画館で鑑賞したい。だからドラマとそもそも比較する事は本来ならできませんが、やはりスマホ、PC、テレビで見るならばドラマかなと思います。Apple TVプラスは自社製品のiPhoneやiPadで気楽に見られるようなドラマが制作されてる気がしますね。
このように今となっては動画配信サービスが主流になりつつあり、正直映画よりもドラマの方が社会の傾向を掴んでそれをテーマにした作品がより多く作られていると感じます。
もちろん、それは私自身の見る傾向のドラマがそのようなものというのが、かなり大きいですが。
そしてなによりスポンサーに気を使わなくて良いところが大きい。動画配信サービスは月に定額料金をもらって成り立つビジネスモデルが中心なので、スポンサーが自社製品を買ってもらうために印象をよくしたいとか、そういう力学がどうしても働いてしまいますが、それがほとんどないのはかなり大きく、映画のメジャーでは扱えない社会問題に突っ込んだ作品はあったりするし、それが大ヒットしていたりします。
これはあくまで個人的な傾向ですが、この三年で映画よりもドラマの方が見るのは多くなったし、楽しめています。だいたい1日1時間から2時間視聴してますが、とても楽しいです。
🌟海外ドラマの傾向🌟
ここからは海外ドラマ、主にアメリカが何を意識して作られているか簡単に3つに分けて説明したいと思います。
1つ目はこれがとても重要なのですが、アメリカでは白人よりも黒人、ラテン、アジア系の有色人種の方が多くなっています。つまり有色人種の方が多数派になり白人の方が少数派になるという事です。
その事をテーマにした作品が多くなってきているし、アジア、黒人、ラテン系の人が主役になる事が多くなってきました。それによって価値観の多様さが見られ、特に量子力学を扱いながらアジアで醸成された思想や考え方が扱っているドラマが制作されていたりします。
2つ目はアメリカも高齢化社会に突入しています。その事を題材にした作品がテーマにされてる作品が多くなってきました。
3つ目はLGBTQプラスや女性が主役あるいはテーマにした作品が多く作られている事です。こちらについてはゲームオブスローンズの記事を明後日にUPしますが、このLGBTQプラス、女性の事についても書いていますのでそこを読んでいただければと思います。
この3つのテーマが中心となって作られています。
さらに過去の名作や会社の裏側の現場を扱った作品が作られたり、
スパイものも作られている傾向があります。
ざっくり2023年の今の傾向はこんな感じです。
🎦海外ドラマの面白さとは🎦
映画でいうアカデミー賞にあたるドラマ版のエミー賞の受賞歴から探ってみるとある一つのテーマが浮かび上がってきます。
それは遠くから見ると喜劇で近くで見ると悲劇、という事です。
このようなドラマが多く評価されているところがあります。わかりやすく言うならば、スマホ見ながら歩いている人がいて、電柱や壁に激突したのを見たら、笑ってしまいますよね。でもぶつかった方は痛みでそんなところではありません。
この遠くから見て喜劇で近くで見ると悲劇、というテーマは西洋というか日本以外の大陸の歴史が関係していると強く思います。
日本には敗者に寄り添う敗者の美学という考え方がありますが、ユーラシア大陸やアメリカなどではそのような考え方というのはほとんどない。
あるのは勝者の美学のみ。
以前、ノースマンという映画の感想をUPしました。かつて北国に住むモンゴル、ロシア、スカンジナビア半島に住む北方民族は、冬になると食糧がないので、南下して略奪、誘拐をしました。悲惨ですが食べ物がないと生きていけないので、それがごく日常にそのような事が行われていた事があります。日照時間も寒冷地は少ないので夜が深く、またオオカミ、クマなど夜行性との動物との警戒が常にあり、文化そのものも、ノースマンでやっていたような儀式は実際にありました。そしてゲルマン民族の移動のように寒冷地から移動してそのまま定住するために殺戮をしたりして争いが絶えませんでした。
もう一つ大きいのは一神教という点。この世界は創造主である神が創り上げたもの。神は1人しかいないという事です。神は人間ではないので1人という時点で間違いなのですが、言うならばその信奉する神以外は下手をすると邪教という事になりかねないわけです。学校で十字軍遠征を習ったと思いますが、十字軍は兵隊が行ったわけではなく、一般的な人も沢山いきました。
イエスキリストが生まれた土地を奪還するべく派遣されたわけですが、この遠征そのものがイエスキリストが十字架を持って歩いたように、その苦行を体験すると共にそこで戦う事で神に誠意を見せて、それによって天国に行けるようなるという活動でした。スマホも何もない時代です。薬よりも神に祈る事が医療行為としてみなされた時代ですから、こぞって神のために戦いました。仏教でも様々な宗派があるように、キリスト教もギリシャとヨーロッパではちょっとちがいましたが、十字軍はそのような人々も虐殺したりしました。
服も何もかも汚れた人達が来たと思ったら、いきなり襲ってきた、という感じです。
それで中東の人々も自分達のアラーを侮辱する民がいきなり現れた、アラーに忠誠心を見せるためにジハード/聖戦という流れが生まれるわけです。
つまり一神教そのものがどうしてもそれ以外はダメだと切り捨てる性質がはらんでしまうし、それ以外と見なされた瞬間に処刑や魔女狩り、生け贄の対象になったりするので、殺される対象にすぐになりえる社会状況がありました。
こうしてゲルマン民族の移動による殺戮やその定住するための戦争、十字軍による殺戮とイスラム教の人々による逆襲と殺戮、そしてなによりその中東も中国もロシアもインドもヨーロッパのドイツあたりまで制圧したチンギスハーンの殺戮なんかもありました。さらにヨーロッパはギリシャ哲学から医療の推進などあらゆる意味で遊牧民最強の帝国、オスマン帝国の脅威に常にさらさられる状態になります。
マーベル映画で今度の最強の敵はカーンという名前ですが、これは明らかにチンギスハーンの事でしょう。まぁなんかカーンの役の人がゴタゴタしてどうなるかわかりませんがw。
日本は海外の脅威といえば元寇と黒船が来航した時くらいです。だから全く民族浄化の憂き目にあった事がないので、ホントに感覚がまるで違います。
日本以外のユーラシア大陸では戦争に負けた瞬間に、神に見捨てられたと教会に言われた瞬間に処刑されるのでもう笑うしかない。不幸であればあるだけ笑う。そして不幸であればあるだけ茶化す。茶化せば茶化すだけ真実がより深くあぶり出されるという性質があります。
もう一つはアメリカの現実がとても大きい。海外ドラマの見ているドラマの多くはアメリカ、あるいはイギリスなどで制作されていますが、アメリカの場合は他のどの国よりも意識が高く、差別や温暖化問題、社会問題に取り組むドラマを作ってアピールしています。
人間の尊厳を守る。それがアメリカの文化の根底にあるテーマですが、一方でその尊厳を簡単に奪う銃は規制されてませんし、尊厳を守るための医療制度、国民保険というのもヨーロッパや日本から比べると病気の治療も無職、低所得のその恩恵を受けられません。
福祉の充実とは、社会が精神的疾患も含めて病気になっても立ち上がられるように、職を失っても自立できるようにする事が大事なのだけど、そういう点はアメリカは福祉は個人でなんとかするべきという考えが故に、充実していません。
NetflixでMO/モーというドラマがあります。
MOはコメディアンとして有名で今度のエミー賞でも確実にコメディ部門でノミネートされるだろうけど、第一話はこんな感じです。
中東移民でアメリカで生まれたが、永住権がなくまともな職につけない→→→バッタモンの時計を売ったりしているが、ある時に兄貴からスーパーで買い物してきて欲しいと言われていく→→→スーパーで銃撃があって腕を撃たれて気絶→→→救急車のタンカに乗せられてる時にパッと気づいて救急車に乗ると金がかかると知っておろせと言ってタトゥーショップの仲のいいあんちゃんに縫合してもらう→→→結局最後は、。。
これを30分でパッと簡潔に見せていきます。こんな内容のどこが面白いんだと思うと思いますが、これがコメディアンらしく笑いを散りばめながらいくので爆笑です。
そしてアメリカの一部の現実をあぶりだしてもいる。主人公は中東移民でイスラム教の信じる子供として産まれて、彼女は敬虔なキリスト教徒、宗教問題やアメリカで生まれていても永住権がない状態や救急車に乗るのも金がかかるような深刻な問題、さらに職業先がなくて犯罪行為に手を染めやすい状況も簡潔にストーリーで見せている。
遠くから見ると喜劇だが近くで見ると悲劇で、低所得層の受ける現実を笑いを散りばめながら飽きさせず見事にあぶり出しています。
深刻な自体だからこそ笑いに変えて真実を伝えるという方法といえばいいかな。おそらくMOはエミー賞のコメディ部門にノミネートされると思うのですが、どうかな。
アメリカは人権と生きる尊厳を謳うが、実態はなかなか伴っていない。それはなぜか?
個人主義は開拓精神からきていて個人の自由はなにより大事だ、と謳いますが個人的にはそれが本当の理由かな?と思ったりする。
第一次、第二次世界大戦でヨーロッパ全体が戦火に飲まれました。日本も韓国、中国も戦火に飲まれました。
それぞれ主義は違うとはいえ、まずなにより街の復興のために福祉の充実が求められました。アメリカも第二次世界大戦は真珠湾を攻撃されたけど、アメリカ本土は第一次第二次世界大戦通して爆弾が落ちた事はなかったはずです。強いていうならば9.11のテロが第一次世界大戦以降、初めてかも知れない。
戦火で廃墟となった街を復興、再建するとなると、まず福祉の充実が再建する第一条件になってきて社会全体で1人の人間をケアする考え方が醸成されるけど、アメリカはなかなかその考え方が醸成できないのが理由だと思います。
名作と言われるほとんどは悲劇が多いのですが、豊穣な文化がアメリカにはありながら、実態は低所得層になるとほとんど這い上がれない状態がある。
故に悲劇が多いという事が関係があるような気がします。
というわけで長々と書いてきましたが、次の記事ではU-NEXTのオススメドラマを紹介したいと思います。エミー賞に必ずノミネートされる作品が勢揃いですし、無料期間中で楽しめる作品を中心に紹介したいと思いますのでぜひ読んでいただければと思います。