4回目となる今回は、U-NEXTで配信され始めた映画、ノースマンをご紹介します。
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かつて殺された父親を巡る復讐劇というストーリー展開をしていきます。実に見ごたえのある作品でした。ゲームオブスローンズを意識してるというか、そういう感じなのかなと思っていたけど、かなり歴史考察／生活様式が徹底されていて、それが物語の揺らがない強さになっていたと実感しました。
スカンジナビア半島は日本からしてみると巨大です。スウェーデンの国土は日本の1.2倍でありながら、人口は1300万人くらいです。日本だと車で1時間走ればどこかの村／町に辿り着きますが、あちらは2時間走っても町がなかったりします。冬は色のないモノクロの風景で、自然も壮大だが殺伐としていて、本当に色のない風景を走っているとだんだん狂ってくる感覚を覚えると友人に聞いた事があります。
また日照時間は冬は特に少なく土着的な儀式なんか狂ってるように見えますが、あそこに暮らしてると電気文化がない時代ならあのようになってもおかしくないという風に感じましたし、あの闇に惹きつけられる感覚は確かにあるんだと推察しました。
残酷な話ですが寒冷地に住む民族は植物がなかなか育たず農業ができなかったので、食べていくのに略奪や誘拐などは日常的に当たり前の事でした。冬は食糧がないので強奪しにスカンジナビアからイギリスやアイスランドに行き、ズタボロにした歴史もあります。
食料がないと死ぬので神に、あるいは呪いを鎮めるために奴隷を生贄にしたりするのもごく自然だった。まぁこのあとに最強の北方民族、チンギスハーンがモンゴル民族引き連れてロシア／ウクライナ周囲からドイツの北東部まで殲滅に近い事をやるのですが、食糧確保を中心に戦いが日常的だったのでとても強かったのは確かです。
ゴジラに出ていたアレクサンダースカルスガルドがとても良かった。ゲルマン系は骨格そのものが大きいので歩き方から正確に演じていたし、アニャテイラージョイも素晴らしかった。ニコールキッドマンはちょっと寒冷地に住む野蛮さはもう少し欲しかった気もするけど笑。
あと占い師役のビョークにはびっくりしましたね。とても似合っているのが驚きました。
アイスランド出身で、1996年のチベット解放運動のコンサート、チベタンフリーダムコンサートに出演した時に、ネイティブアメリカンを虐殺した事をずいぶん辛辣に言っていたのを憶えています。
背景にはこんなアイスランドの歴史を知っているから発言したのかなと思いました。
音楽も素晴らしく、川のシーンでかかる音楽のメロディーは普通にギターで弾いたらメタルだなとちょっと笑いました。北欧はメタル人気なので意識したのでしょう。
原作はアムレートという本らしいですが、シェークスピアのハムレットもこのアムレートを参考にしてるとか。中盤から終盤にかけて台詞のやりとりが多くなりますが、だんだんとリアルな時代劇から舞台で演じてるような演出になってきて、そこがとても気に入りました。
残酷な描写もありますが、このような復讐劇があったのかはわからないにせよ戦いが生活の中にあり、奴隷になる者がいてこういう事実は確かにあったので見る価値は充分あると思います。ラストがとても好きでした。
アレクサンダースカルスガルドが気に入った方はU-NEXTで配信されてるリトルドラマーガールというドラマもオススメです。こちらも引き続き投稿しますので、興味のある方は次の記事を参考にして頂ければと思います。
星５つに対して
個人的満足度🌟🌟🌟🌟
オススメ度🌟🌟🌟🌟
